11月1日(金)の午前に,学部食堂で,3年生による公開合同ゼミを開催しました.これは3年生がゼミごとに「現在取り組んでいること」あるいは「これから研究しようと思っていること」などを発表し,それを1年生から4年生まで学部生全員と関係教職員で聞き,ディスカッションするものです.2012年度までは年度末に開催していましたが,2013年度から就職活動と重ならないよう,この時期に開催しています.
3年生の大半はこの合同ゼミを機に卒業研究を具体的に考えていくことになります.まだどのゼミも研究成果を出しているわけではないので,すべての発表内容を記載するわけにはいきませんが,雰囲気をお伝えしたく一部紹介しますと,次のようなものがありました.
ライフスタイルゼミ(領域横断研究)
7つの発表がありましたが,そのうちの1つは,近年世界的に注目されているプラスチックごみによる海洋汚染の実態を紹介し,それに対して学校生活や大学生が取り組めることを考察するものでした.この発表に対しては,渡辺憲司学部長からの提案や,2年生からの指摘など,活発な議論が展開されました.
ヒューマンサイエンスゼミ(領域横断研究)
5つの発表がありましたが,そのうちの1つに,自身の演劇活動から端を発した「私」論あるいは「自意識」「身体」論を考察する発表がありました.これには教員から関連する参考文献の紹介がありました.
データサイエンスゼミ(領域横断研究)
5つの発表がありましたが,そのうちの1つは,発表者と聴衆間の質疑応答のためのWebアプリケーションを開発・実装するもので,実際に今回の公開合同ゼミでも使用されました.多くの学部生の関心が寄せられました.
フィールドサイエンスゼミ(領域横断研究)
2つの発表がありましたが,チームで取り組んでいます.自由学園の水循環システムについての研究です.すでに本格的に調査も進めており,気象観測システムを取り扱う民間企業とも連携してます.
マネジメントゼミ(経営実践研究)
2つの発表がありましたが,そのうちの1つはチームで恵比寿のまちのブランディングについて研究しています.これは現4年生の研究を継続するものです.こちらも不動産開発などをてがける民間企業と連携しています.
公開合同ゼミについて,ふたりの運営リーダーは次のように振り返っていました.
(小林遼)初等部の箱根宿泊学習にTAとして同行しており,クラスリハーサルを見ていませんが,(運営面で)問題点がかなりあったと聞いており,心配していました.しかし本番は受付,会場,機材,進行,アンケートとすべて順調で,まずその点でクラスメイトに感謝しています.発表はどのゼミの内容も着眼点が面白く,今後が楽しみな報告ばかりでした.また質疑応答では,学生の発言が多く,それに対する発表者の返しもよく,活気あふれるな報告会となりました.
(須山琴美)全体的に受動的で自主性がないまま準備段階を終わらせてしまったことが反省でしたが,どうにか本番を終わらせることができたのは成長だったと思います.研究も会の運営も,自分たちに何が足りないかを自覚でき,学んだことは多くありました.今後に繋げていきます.
最高学部は開学以来,学生自身がそれぞれの行った研究活動や社会活動を社会に対して発信することを,カリキュラムの中の活動として行っています.指導の点で至らぬ点もあるかと思いますが,学生は頑張っておりますので,今後も暖かく見守っていただければ幸いです.
文・写真:遠藤敏喜(学部教員)