9月に開催された2つの学会で学部教員が発表しました.
9月9日から11日にオンラインで開催された土木学会全国大会の第75回年次学術講演会で,吉川が「西武鉄道池袋線に残存するレンガ積み橋台遺構の歴史的価値と保存に向けた課題」と題して発表しました.
内容は自由学園に隣接する西武池袋線の立野川橋梁(大正4年の開業時に建設)について,土木史的観点から取り上げたものです.これまでも土木遺産としての歴史的価値について,最高学部の『生活大学研究』への論文投稿や,東久留米市民大学での講演・見学会などを通じて発信して来ましたが,今回は現役遺構の保存に関する課題,他の路線との比較なども加えて発表しました.より広くその価値が認められ保存に繋がればと思います。
また,9月5日から13日にオンラインで開催された第51回日本緑化工学会大会で吉川,小田が「安価なIoT機器を活用した雨水利用システムの運用高度化に関する検討」と題して発表しました.
内容は散水等を目的に数多く設置されている雨水利用タンクに,遠隔での水位監視やバルブの開閉制御が可能なIoT機器を取り付けることで,雨水を積極的に貯留し周辺の浸水被害の軽減に寄与できるのではないかと考え,具体的なシステム構築を実践した結果について示しました.時を同じくし政府主導で洪水対策への「利水ダム(農業用,発電用等)」の活用が話題になり,「田んぼダム」等への注目が高まっていた中で,雨水利用タンクの洪水対策への活用という提案ができたことは,とてもタイムリーであったと考えています.
いずれも例年とは異なりWeb掲示板を用いたオンライン形式でしたが,少なからず討議をすることができました.
いずれの内容も秋期の講義や卒業研究指導に活かしていく予定です.
文・写真:吉川 慎平(学部教員)