2020年11月4日にオンライン形式で開催された日本地下水学会2020年秋季講演会で,フィールドサイエンスゼミ所属の齊藤将也さん(4年生)が卒業研究として取り組んでいる研究内容の一部を口頭発表しました.発表題目は「自由学園校内谷地部における地下水管理を目的とした基礎的地下水流動調査」です.
齊藤さんは学部1・2年次の生活経営研究実習で農芸グループに所属した経験から,新天地(圃場)の現在は使用されていない浅井戸の存在に関心を持ち,南沢キャンパスの浅層地下水の調査を始めていた4年生(当時)の研究を引き続き,浅層地下水の流動調査と,浅井戸の再生による浅層地下水の活用を卒業研究のテーマとしました.
3年次より校内に多数設置した観測井や既設の井戸で,地下水の水位・水質のモニタリング調査を開始しました.今年10月の体操会前には女子部の協力を得て設置した大芝生内の観測井のデータを使用して,大芝生の使用可否判断に資する地下水位の状況を全校に共有しました.今回は他のメンバーの協力を得ながら週1回の頻度で2年間に渡り実施した地下水位観測の結果から導かれた,校内低地部の浅層地下水の流動と周辺地形の関係性について取りまとめました.
発表を終えた齊藤さんは「はじめての学会発表で大変緊張しましたが,機材のトラブルもなく無事時間内に発表をまとめることができました.今後は今回の発表でいただいたコメントも参考に,卒業研究としてまとめて行きたいと考えています」と話しました.
また共同研究者として参加し,地下水の研究を引き継ぐことになった3年生の鈴木祐太郎さんは「準備や練習などに参加し,これまでの調査や研究の成果を限られた時間でまとめるのが大変だと感じました.自分も来年は是非発表ができるように取り組んでいこうと思いました」と話しました.
新型コロナウイルス感染拡大により登校しての調査ができない期間も長くありましたが,早くから研究に取り組んで来た甲斐もあり,非常に慌ただしいスケジュールの中で無事に発表をまとめることができました.
現在,フィールドサイエンスゼミでは,齊藤さんを中心に,新天地の浅井戸再生・活用に取り組んでおり,年内にもお披露目できる見込みです.
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文・写真:吉川慎平(学部教員)