毎年11月10日は一般社団法人全国さく井協会が定める「いい井戸の日」であり、最高学部のフィールドサイエンスゼミで2020年に「新天地(実習圃場)」に位置する、古井戸を再生する工事が完了した記念日でもあります。リニューアルした井戸は2022年11月10日で2周年を迎えました。
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新天地には水道も引かれていますが、農具洗いなどには日常的に井戸が利用されるようになりました。また毎日、男子部高等科の川管理グループが地下水の測定に訪れています。井戸に設置した手押しポンプは利用頻度が高いこともあり、可動部の調整など、定期的にメンテナンスが欠かせません。
今年の「いい井戸の日」を前にした11月3日(木・祝)、井戸の管理を引き継いだ水文・気象観測室のメンバーで、1年ぶりに手押しポンプ等を井桁から取り外しオーバーホールを行いました。腐食が見られたボルトなどは今後のメンテナンスを考え、絶縁処理を施した上でステンレス製のものに交換するなど改良も加えました。また、記念学寮解体時の石材を活用し制作した「水叩き場」の目地をモルタルで補修する作業も行いました。
4年生の鈴木祐太郎さんは「再生した井戸を新天地で学ぶ生徒や学生たちが長く活用していくためには、定期的なメンテナンスが必要になります。今後は後輩にメンテナンスの作業を引き継ぎ、状態を維持していくための作業を井戸と共に、さらに先の世代へ着々と受け継いでいってほしいと思います」と話していました。
この2年間に初等部の児童が手押しポンプの体験に訪れたり、井戸再生の取り組みを複数の団体にご見学いたくといった機会もありました。今後も井戸を通して目に見えない地下水の存在を身近に感じてもらえればと思います。
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(2021/11/10)「新天地」の古井戸再生1周年(11月10日は「いい井戸の日」)
文・写真:吉川 慎平(最高学部教員・環境文化創造センター長)