今日はいい井戸の日です。皆さんご存じでしょうか。
毎年11月10日は一般社団法人全国さく井協会が定める「いい井戸の日」であり、最高学部のフィールドサイエンスゼミで「新天地(実習圃場)」の長年使われていなかった古井戸を再生して1周年の記念日でもあります。
この井戸は「新天地」のあふれるほど豊かな地下水を積極的に活用することや、井戸の使用を通して水循環を学ぶ機会とすることなどを目的に再生しました。これらを踏まえ、「防災・景観を意識した手押しポンプと見える地下水」をコンセプトとし、学内の許可を取り学生・教員で実際に施工しました。
運用して1年が経ち、井戸は主に中等科生から学部生が農芸の授業・実習で農具洗いに使用しています。また、今年度は初等部4年生の「水の学び」でもこの井戸が生きた教材として活用されました。
利用している生徒・学生からは「井戸を初めて見た、水が冷たい、手押しポンプが楽しい、面白い」といった感想が聞かれました。更に今後の維持管理を見据え、メンテナンス作業には学部1・2年生(有志)にも参加してもらいました。
この井戸に関しては2021年1月の「第16回川でつながる発表会(発表者に表彰状が授与)」、5月の日本地下水学会、9月の日本農業教育学会、11月の東久留米市市民自主企画講座にて、一連の取り組みについて発表・発信を行いました。市民自主企画講座の際には、希望する市民の方に井戸を含めた学内の見学会も実施されました。
今後の課題として、井戸水は使用することで水質がある程度改善または維持すると言われていますが、思うような結果が出ていないという現状があり、現在水質改善方法を模索しています。また、井戸には水位センサーと手押しポンプの動作センサーを付けてありますが、その結果について利用者が見ることはできていないので、利用者への情報提供をする必要があると考えています。
関連記事はこちら
「フィールドサイエンスゼミの4年生が日本農業教育学会で口頭発表をしました」
文:宮代安希子(最高学部4年)
写真:吉川慎平(最高学部教員・環境文化創造センター研究員)