【気象観測室】冬休みに海山植林地と周辺で活動/研究・実習 - 自由学園 最高学部(大学部)/ 最先端の大学教育

【気象観測室】冬休みに海山植林地と周辺で活動/研究・実習 - 最先端の大学教育【自由学園 最高学部(大学部)】

研究・実習

【気象観測室】冬休みに海山植林地と周辺で活動

2023年1月10日

12月27日と28日の2日間に、三重県紀北町にある自由学園の海山植林地とその周辺河川に行きました。今回の目的は河川の水質調査と海山植林地にある気象観測機器の整備と新しい観測装置を取り付けました。観測装置は風向風速計と赤外線カメラです。

 

風向風速計を仮設

 

赤外線カメラを仮設

 

この辺りは海が近い為か風が強く吹き、急に体温を奪われるぐらいの強さです。そこに風向風速計を設置し、実際にどれぐらいの強さでどの向きに吹いているのかを計測します。因みにこの風速風向計は以前(株)フィールドプロから寄贈され、最高学部棟屋上で使用していたものを海山植林地に持ってきました。赤外線カメラは、海山植林地にいる動物が何かを調べるために設置しました。また、観測機器には高価なものもあるので、観測機器の防犯も含めてカメラに観測機器が入るように設置しました。電池式だと、今の海山に行く頻度では電池切れを起こして長時間の撮影ができないので今回は、太陽ソーラーパネルを設置してそれをカメラの方に繋ぐ方法を試験的にとりました。

続いて海山の前の久瀬谷に大きなカニを3匹見つけました。このカニはモクズガニといって特徴として腕にふさふさした毛を持ちます。目視での確認でしたが、甲幅は5~6㎝はありそうでした。海で生まれ、汽水域(淡水と海水が混じるところ)で稚ガニとなった後、きれいな川の上流を目指し、2〜3年かけて成熟、再び交尾・産卵のため海へと戻り一生を終えるという人生です。植林地から河口までは8.5kmほどで、僕たちにとって大した距離ではありませんが、カニのサイズから考えると途方もない距離だったと思います。
28日には河川工学・水文学がご専門の大同大学の鷲見哲也先生をお招きし、海山植林地の山から、久瀬谷にある滝や観測機器を見ていただきました。

 

海山植林地海山作業小屋

 

海山植林地前の久瀬谷で見られたモクズガニ

 

銚子川での水質調査

 

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(1/10更新)研究フィールドとしての活用を目指して海山植林地で活動

 

文:宮代雅章(最高学部2年・水文気象観測室)
写真:吉川慎平(最高学部教員・環境文化創造センター長)

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