生活経営研究実習の図書グループでは、課外授業として6月23日に「印刷博物館」の見学を行いました。参加したのは、最高学部1年生と、当時コロナ禍で見学が出来なかった元図書グループの現4年生です。
活版印刷体験では、実際に活字を拾ってメッセージを印刷し、オリジナルのコースターを製作しました。
文字間のスペースやメッセージの周りの部分など、空白をつくりたいところには「クワタ」という背の低いハンコを使用します。背が低いのでインクがあたらず、空白となるのです。クワタには大小さまざまな大きさがあり、文字が自然にバランスよく印刷されるよう、ちょうど良い大きさのクワタ(どうしても某投手や某歌手が浮かんでしまいます…!)を選びます。つい印刷といえば文字に目がいきますが、実は空白が大きな役割を担っている、ということが体験を通してよく分かりました。
展示室では、西洋の印刷史料、そして日本の史料も時代の流れに沿って展示されていました。もちろん『婦人之友』もありました!
こうしてショーケースに並んでいるものをみていると、印刷の歴史は人類の歴史であり、史料は人間の「生」を端的に表すものであるということが、ひしひしと伝わってきました。同時に、記録に残らなかったもの、この博物館には展示されていないものがきっとあったのだろうとも感じます。
インターネット、SNS等の発達により「データ」は保存しやすくなった現代。私たちは後世に何を遺すのでしょうか。
文:木村翠、写真:鈴木千晴(最高学部4年)