2年生3名が2級ビオトープ管理士資格試験に合格!/教養・専門 - 自由学園 最高学部(大学部)/ 最先端の大学教育

2年生3名が2級ビオトープ管理士資格試験に合格!/教養・専門 - 最先端の大学教育【自由学園 最高学部(大学部)】

教養・専門

2年生3名が2級ビオトープ管理士資格試験に合格!

2024年3月11日

最高学部の自由選択科目「都市環境工学(秋期)」では、普段意識する機会の少ない、私達の生活基盤を支える「インフラストラクチャー(社会資本)」に注目し、その役割・機能をはじめ、整備や維持における課題・問題点、最新の事例や技術の一端に触れ、人と環境が調和した「より良い社会づくり」を考える基礎を学びます。
春期はグリーインフラとビオトープ論について、(公財)日本生態系協会発行の「ビオトープ管理士資格試験公式テキスト」を用いて学んでいます。ビオトープとは、地域の野生動植物が生息する空間を意味し、持続可能な社会の構築のため、こうしたビオトープの価値を高めるのがビオトープ管理士の役割です。一級のビオトープ管理士は、国土交通省登録資格でもあります。テキストは、生態学、ビオトープ論、環境関連法、計画部門、施工部門という構成になっています。

 

ビオトープ管理士認証書を手に

 

また講義では、必須要件ではありませんが、毎年秋に行われる実際のビオトープ管理士資格試験の受験を推奨しています。今年度は3名が受験に挑戦し、2月末の合否発表で無事全員が合格しました!過去に挑戦した学生もいましたが、合格は初めてのことです。また1名は同協会の「2級こども環境管理士」も同時受験し、見事合格しました!
以下は合格した3名の学生に、チャレンジしようと思った動機や試験の感想、今後の意気込みを聞きました。

 

2年:松島 希実(2級ビオトープ計画管理士・2級こども環境管理士)
「取れる資格は何でも取りたい」これが最初の動機だった。しかし学ぶうちに生活への視点が変わり、行政に対する意識も変わった。除草剤しかないと思っていた寮の雑草地帯に対し、何か他に対処方法があるのでは、と考え出すことができた。本資格取得に引き続き、自分から行動を起こしていきたい。

2年:丸原 歩(2級ビオトープ施工管理士)
自然環境の関係性などに興味を持ち、これからより広い幅で活動するきっかけになればと思い受験しました。
試験内容としては、自然の仕組みを理解するだけでなく、自然保護の法律等も勉強しなければいけなかったので大変でした。しかし、結果としては環境に対してどれもバランス良く勉強する良いきっかけになったと思います。このビオトープ管理士という資格を足がかりに、少しでも環境の保全や改善にどのようにアプローチできるかを考えていきたいです。また、来年度は計画部門を受験し、資格としてもワンランク上を目指していけるように努めていきたいと思います。

2年:山田 周太郎(2級ビオトープ施工管理士)
もともと自然環境に興味があり、この資格にも興味を持っていたため、せっかく講義で受けるのであればぜひ受けようと思い受験しました。実際に受けるとなり試験勉強をしている中で、自然の中で自分が体験したことはどういうことなのか、自然環境は法律的な面ではどのように扱われているのかなど、実際のこの社会との繋がりを考えることができる良い機会となりました。ビオトープ管理士の資格には私が合格した施工管理士の部門と、計画管理士の2つがあるため来年度はもう一方の計画管理士にも挑戦したいと考えています。
また、今回せっかく勉強した知識を学内での整備などにも活かしていきたいと考えています。

 

ビオトープ管理士資格試験公式テキスト書影

 

自由選択科目ではありますが、最高学部の講義でビオトープ管理士のテキストを用いた学びを取り入れた理由は次の通りです。自由学園の一環教育では、水と緑豊かな南沢キャンパスでの生活をはじめ、中等科・高等科では「農芸」や「産業」の授業、遠足(登山)があり、更に最高学部では生活経営研究実習や那須農場、植林地での活動があります。このような、創立以来行われて来た、自然の中に身を置き己を知るということを通して自然と培われた経験に加え、学術的、社会的、法律的な知識を身につけ体系化することで、更に広い視野を獲得していくことを期待したものです。

3名は講義中に過去問題の演習などにも積極的に取り組みました。実際の試験は、単にテキストを勉強すれば合格できるものではなく、一定の現場経験がないと回答することが難しいものも含まれますが、今回の3名はこれまでの経験からあまり心配がありませんでした。今後、まずは後期課程での研究活動や社会活動等に大いに活用してくれるものと期待をしています。

なお、都市環境工学の秋期の講義では、インフラとは何か?にはじまり、道路(交通・バリアフリー)、鉄道、港湾・空港、廃棄物、河川・ダム、上下水道等を中心に学びました。その一環で、身近な南沢キャンパスを一つの「街」と捉え、生活を支えるインフラがどのようになっているかという視点で、様々な学園の施設・設備を実際に見て歩くツアーも実施しました。

 

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写真:丸原 歩(最高学部2年)・文:吉川 慎平(最高学部教員・環境文化創造センター長)

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