今夏も最高学部の男子学生による海山植林地での労働が行われた。今年は1年生から4年生まで50名が参加し、7月23日から8月30日までを5期間に分け、1期間当たり平均10人が参加して、6泊7日で山本幸右先生のご指導のもと、労働に汗を流した。労働は、1期~3期は、昨年の夏に切り出された丸太を、斜面から沢に落とし、材を沢から道路へと運び上げる作業を行った。3期の途中には、これまでに出された材を2.5mに切りそろえ、合計110本のヒノキ白太材(樹皮を向いた材)を地元の森林組合に出荷することも行われた。4期~5期は、1972年に植林されたヒノキ林の間伐作業、小屋周辺の整理、テラス作りなどを行なった。
主に4~5期に行われた林内での間伐作業は、間伐する木を選んで切り、斜面に倒す。次に、枝を落とし、樹皮を剥く、という順番で行われた。年によっては、この後、丸太を斜面から滑らせ、沢まで落とすということも付け加えられるが、今年は直下に小屋があるため行われなかった。この作業は、個人差はあるが、先程の順番で1人が1本の立木を材にするまで、およそ1時間を要する。多い人は1日7時間の労働で8本を生産した。また、ヒノキの枝は硬いため、立木を切ることは比較的容易であるが、切った木を倒す際、他の立木に引っかかってしまうことがあり、その場合は、2~3人でロープを使って引き倒したりもした。また、ほとんどが石、岩の多い急斜面で足場が悪く、枝を落とす作業、樹皮を剥く作業は場所によって大変な作業であった。この夏の労働で、胸高直径約15~20cmの丸太を約550本林から運び出し、直径20cmのヒノキを約100本間伐した。その他、数年前に傾いた小屋をジャッキアップするため解体してしまった小屋前のテラスも立派な物に作り変えられた。
海山での夏の基本時間は、以下のようになっている。
夏の基本時間
04:00 起床・朝食
05:00 労働開始
12:00 労働終了・昼食
13:00 自由時間
18:00 夕食
19:00 礼拝・ミーティング
21:00 消灯・就寝
海山での夏の生活は、朝4時に起床し、5時から12時まで労働、夜は9時に就寝するという生活であった。午後の自由時間には、山本先生が川や海に連れて行ってくださり、楽しい時間を過ごすことができた。また、5期には関西父母会から4家庭4名の方が1泊2日で海山に来られた。労働中の学生に、お母様方で温かい夕食を用意してくださり、小屋に備え付けられた穴の開いた枕などの寝具も直していただいた。丸太の樹皮を剥く作業も体験され、植林を通して学生とも交流することができた。
以下、2007年度学生リーダーの感想を掲載する。
渡部俊太郎(学部3年)
今年度は、近年まれに見る猛暑の中での労働で、一夏を通して体力的に厳しい内容でした。自分は最終の6期に海山で労働を行ないましたが、作業日誌からは学生たちが元気に労働を行なう様子を感じ取ることができ出来、とても嬉しく感じました。ハチに刺されるなどの小さな事故はありましたが、学生全員が無事に労働を終えることが出来たのは、一夏を通じて現地での指導にあたって下さいました山本先生、地元の林業家の速水様を始め多くの方々の支えがあってこそで、感謝の気持ちで一杯です。今年は海山植林40周年という節目の年です。海山という場所がこれまで以上に労働を始めとした、学生の主体的な活動の場となることが出来れば良い、と感じています。
(左)活動拠点の海山小屋 (右)朝食の様子
(左)立木を倒す作業 (右)枝を落とす作業
(左)樹皮を剥く作業 (右)完成したテラス
昨年度の様子
文・写真:吉川慎平(学部3年)