4月28日に、今年も那須農場の水田で、学部1年生による田植えが行なわれた。続いて女子部、男子部による田植えもこの程完了した。これに先立ち、4月12日から3日間、昨年から共同研究食グループとして那須のお米の活動に参加している学生を中心に、学部4年生4名が、水田の水路の改良工事を、稲作体験でお世話になっている農家の八月朔日(ほずみ)さんのご指導のもと行なった。
農場の水田は全体で約1500坪あるが、4枚の水田に分かれており、用水は、すぐ脇を流れる蟇沼用水から引いている。農場の水田に引かれた水は、まず1枚目の水田に入り、次に2枚目、3枚目の水田を通って、4枚目へと流れ込む仕組みになっている。多くの地域では、用水は最後に排水路へと流れ出る構造になっているが、この土地は砂利層で、地下への浸透率が高いため、排水路の設備はない。そのため、地下浸透のスピードに合わせて、用水から引く水の量を調整しなければならず、これを怠ると水田から水が溢れ出てしまう。
これまで農場の水田は、水田1枚ごとに水の量を調整することが困難であった。そこで今回、水田の畦に沿って、塩ビパイプを埋設し、それぞれの水田に個別に給水することが出来るようにした。これにより、水の調整が容易になったことに加え、肥料を上の水田から、下の水田へと流出させることを防ぎ、施肥効果を均一にすることが期待されている。
今回埋設した管は、直径125ミリから150ミリのもので、総延長は72メートルとなった。途中3つの水門を設け、3枚の水田に個別に給水できるようになった。
これまでに農場の水田3枚の田植えが完了したが、残る1枚は、今月18日に学部生有志のチームで田植えをする予定である。
(左)材料の買出し (右)掘削作業
(左)溜め枡に穴を開ける (右)管の敷設作業
(左)館の分岐点を作る (右)管の埋め戻し作業
(左)畦道を整地 (右)工事完了後
那須のお米が食卓に
文・写真:吉川慎平(学部4年)