教育ゼミ主催 親業の講演会/学生生活・学外活動 - 自由学園 最高学部(大学部)/ 最先端の大学教育

教育ゼミ主催 親業の講演会/学生生活・学外活動 - 最先端の大学教育【自由学園 最高学部(大学部)】

学生生活・学外活動

教育ゼミ主催 親業の講演会

2008年12月1日

親業の講演会人間形成と教育ゼミナール主催の講演が、11月29日(土)の13時45分から、最高学部 学部棟中教室にて行われた。講演のテーマは「自分らしさを生かす、率直なコミュニケーション」。講師は、親業訓練シニアインストラクターの山崎さち子先生であった。


「親業(おやぎょう)」とは、アメリカの心理学者トマス・ゴードン博士が開発した「親が親としての役割を果たすための訓練(Parent Effectiveness Training)」のことを指す。主にカウンセリング、学習・発達心理学、教育学など、いわゆる行動科学の研究成果を基礎として作られたこの講座では、自分と関わりを持つ人々との関係を 豊かにし、互いに自己実現を深め合えるようなコミュニケーションのメソッド(方法)について具体的な形で学ぶ機会を持つ。日本では1980年に初めて「親業訓練講座」が開講され、以来20年以上に渡って徐々にその活動の場を広げてきた。
今回講演に来て下さった山崎先生は、「親業訓練講座」、「自己実現のための人間関係講座」、「看護ふれあい学講座」、「ユースコミュニケーション講座」のインストラクターとして、講座・講演・執筆等の幅広い分野で20年以上に渡り御活躍されている。講演では、自己表現することの楽しさを実感するための体験学習や、困っている人の気持ちをくんで共感する「能動的な聞き方」の練習等、参加者同士で互いにコミュニケーションを交わし合う機会が多く取り入れられた。
「私は~が好き/嫌いです。」と相手に伝える演習では、自分の好きなもの・嫌いなものが見つからないことに驚く学生の姿が見られた。また、「私は~をしたいと思っているけれども、できない」という台詞の「できない」に相当する部分を、「しない」というような表現に変えるだけで、相手に伝わる印象が全く違うということも学んだ。
講演の最後には、「未来の子ども達のために私達にできること」というテーマでグループ討論を行い、各グループから出された意見について発表し考える機会を持った。
講演に参加した学生からは、「今までと違う新しい世界を知れた気がしました。今までの自分とは違う、新しい自分をつくるきっかけにしたいと思います。」、「講演で学んだコミュニケーション方法を実際に使ってみたいです。」、「まだ自分の考えが整理しきれていないので、時間をおいて講演の内容についてもう一度考え直してみたいです。」等といった感想が聞かれた。参加者全員が今回の講演を違った形で受け止め、「納得できた事柄」、「腑に落ちなかった事柄」、「もっと深く考えてみたい事柄」をそれぞれ見出していたのが印象的であった。
人と人とのコミュニケーションや自己実現といったものが注目されつつある今、「自分らしさを生かす、率直なコミュニケーション」というテーマで山崎先生のお話を伺うことができたことは、大変意義のあることであったように思う。自由学園の生徒・学生が、人と人との関係を大切にし、豊かなコミュニケーションを実践し続けていけることを切に望む。

文:山本虎太郎(学部3年) 写真:遠藤敏喜(学部教師)

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