学部生による市民講座の企画と運営/学生生活・学外活動 - 自由学園 最高学部(大学部)/ 最先端の大学教育

学部生による市民講座の企画と運営/学生生活・学外活動 - 最先端の大学教育【自由学園 最高学部(大学部)】

学生生活・学外活動

学部生による市民講座の企画と運営

2009年6月24日

学部生による市民講座の企画と運営6月20日、東久留米市男女平等推進センターにて「共学?別学?どっちを選ぶ??」というタイトルで市民へ向けた講座を企画・運営した。講師は純心女子大学非常勤講師の櫛田眞澄先生にお願いした。これは市が主催する市民企画講座の一つで、同センターが男女平等に関する講座の企画を募集していたものである。一般にDV(ドメスティック・バイオレンス)や父親の子育て参加に関連した講座が多い中、学校教育(男女共学か・別学か)に焦点を当てた。これは私の関心が自由学園の生活とジェンダーにあり、卒業研究をそのテーマで進めているためである。


櫛田先生の講義は御著書『男女平等教育 今まで、これから』(ドメス出版)からのお話だった。戦後、日本の学校教育はどのように共学化がなされてきたか、現在の現状、今後どのように発展してゆくのかなどについて1時間ほどご講演いただいた。講義の最後に hidden curriculum(隠れたカリキュラム)ということについてお話された。これは一般の授業カリキュラムとは違い、大人の心の中にある性差意識(重いものは男が持つ・掃除は女がするなどの考え方)などが、子どもの人格形成に影響を与えてしまうということである。
後半、参加者15名ほどが先生を囲みディスカッションを行った。様々な年代、様々な土地・学校出身の方が集まり、活発な意見交換がなされた。職場での男女差の話、参加者の学校の経験に加え、自由学園の話も熱い話題となった。社会で活躍されている卒業生の話から、最高学部が共学になった当時の話をしてくださる方もいらした。最後に先生が、子どもの中には共学では潰れてしまうような性格の子もいる、本人と親の判断で別学校を選ぶのもありだが人権教育はどうするのか、男と女の意識をどこかで変える時がなければならない、と締めくくられた。
今回企画に賛同した学部2年生と共に「くろ~ばぁ」とサークル名をつけ当日の講座運営を行った。学生が市民に対してこのような講座を企画するようなことは珍しく、先生からも「非常に積極的で熱心」であるとお褒めいただいた。今回の講座で学んだ事、ディスカッションで考えた事を今後の研究に活かし、長年男女別学教育を行っている自由学園のあり方を考えてゆきたいと思う。またこのような施設はどの市区町村にもあるわけではなく、市民の企画を主催するという民主主義も非常に稀な例だそうである。男子部・女子部と長年別学で学んできた学部生にも、ぜひこのような施設を有効に活用してもらいたいと思う。
学部生による市民講座の企画と運営
 櫛田眞澄先生とともに

文・写真:松下瑛美(学部4年)

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