創立者のおひとり羽仁吉一先生のご命日を偲んで,一日前の10月25日(土)の朝7時から最高学部4年課程4年生と2年課程2年生が雑司ヶ谷墓地にて墓前礼拝を行った.
讃美歌329番斉唱と聖書『ヨハネによる福音書』15章7~10節の朗読の後,学園長矢野恭弘先生は,吉一先生が天に召された時の様子と,吉一先生と親交のあった詩人高村光太郎による追悼の詩を朗読し,理論物理学者宮島龍興先生のお話を『婦人之友 昭和30年12月号抜粋復刻版』から紹介された.
宮島先生は開学の時から学部で教鞭を取られていた.「雑司ヶ谷短信追想」で,吉一先生が晩年学部に心をくだいておられたこと,自由学園の精神である「人間を作る」ということは,生活という日々の活動をもとにして行わなければならないこと,そしてその生活は小学生には小学生としての生活があるように,学部には学部としての生活があり,学部では学問の研究が生活を通して広い社会とのつながりを強めるようなものであってほしいと述べられている.
最後に,讃美歌536番を歌い,出席者全員が順番に拝礼した.

(左)学部生がお花を飾る(中)礼拝の遠景(右)拝礼の様子
文・写真:遠藤敏喜(学部教師)