2年生女子が前期課程修了研究旅行で伊勢・奈良・京都へ/学生生活・学外活動 - 自由学園 最高学部(大学部)/ 最先端の大学教育

2年生女子が前期課程修了研究旅行で伊勢・奈良・京都へ/学生生活・学外活動 - 最先端の大学教育【自由学園 最高学部(大学部)】

学生生活・学外活動

2年生女子が前期課程修了研究旅行で伊勢・奈良・京都へ

2015年12月19日

学部2年女子の16名は、引率の長谷川政春先生、小田幸子先生、早野曜子先生と共に11月30日から12月5日まで、前期課程修了研究旅行で伊勢、奈良、京都をめぐってきた。

1日目に伊勢神宮内宮にて正式参拝。お神楽を奉納して美しい舞を見た。

伊勢神宮内宮

伊勢神宮内宮

2日目は、穴師坐兵主神社をスタート地点とし、桧原神社、狭井神社に寄りながら大神神社まで山の辺の道を歩いた。その後は石舞台古墳、岡寺、飛鳥寺に行った。石舞台古墳は、おどろくほど巨大な岩が積まれてできていた。説明を聞きながら、皆思い思いに当時の労働風景を想像した。夜は當麻寺中之坊にお世話になった。私たちは古い木造建築に泊めていただき、物音に注意を払って過ごした。必要以上の音がないと、いつもは意識しない石油ストーブの音や木が擦れる音さえもよく聞こえることを知った。丁寧に整えられた精進料理の一品一品を味わってありがたく頂き、出汁や味噌などの美味しさに感動した。私たちの日常生活には様々な物が混沌となっているが、日本の美徳である「余白」を大切にするということが何たるか、にわかではあるが垣間見ることができたと感じた。

石舞台古墳

石舞台古墳・桧原神社で

3日目は法隆寺と唐招提寺に加え、今年は新たに元興寺を拝観した。日本のお寺の中で最古の歴史を持つ元興寺は、創建当時は法興寺(飛鳥寺)と呼ばれており、平城遷都と共に現在の地に移って寺名を元興寺と改めた。当時は興福寺や東大寺と並ぶほどの大寺院だった。現在は当時の規模は失われているものの、現存する僧坊と禅室は国宝認定されている。ご住職はお寺の歴史や仏教について説明してくださった後、境内の案内もして下さった。見所も多く、皆も興味を持って熱心に聴いていた。

奈良友の会

奈良友の会・法隆寺

4日目は、東大寺、興福寺国宝館を見学した。あいにく朝から雨が降っていたが、大仏殿では連弁拝観を許可していただき、間近で大仏様の大きさを体感した。その後、古来の製法でなら墨を作っている古梅園で製墨行程を見学させていただいた。油煙から集めた煤が黒光りする墨玉になり、形と整え長い時間をかけゆっくりと乾燥させていく行程に、伝統を守る職人さんたちの心を感じることが出来た。その後、平等院を見学し、京都市内に宿泊した。

元興寺・古梅園握り墨

元興寺・古梅園握り墨

東大寺

東大寺

翌5日目は全員がとても楽しみにしてた日だった。各グループがお昼前に、桂離宮・仙洞御所・修学院離宮のいずれか一つを参観し、夕方には京都友の家に集合する。それまでは自由に、下調べしておいた寺院、カフェやお菓子屋さんなどを巡った。

グループ行動桂離宮

グループ行動桂離宮・グループ行動東福寺・京都友の会

最終日は、大徳寺に行った。まずは、真珠庵を特別に拝観させていただいた。ご説明を伺いながら、長谷川等伯の襖絵、一休和尚の坐像、玉の天蓋などを間近で見学し、とても貴重な学びの機会を得られたと思う。その後、高桐院・瑞峯院・黄梅院・龍源院のいずれかを拝観した。お庭には美しい紅葉が残っており、心落ち着く時間であった。

旅行中、3日目の昼は奈良、5日目の夜は京都の友の会に食事会を開いていただいた。奈良では手の込んだ洋食が食卓に並び、京都では土地の食材を使った暖かいうどんすきの鍋を皆で囲んだ。どちらも前々から準備を重ね、友の会や関西父母会の方々が本当に温かく迎えて下さった。

この旅行には日本の歴史・文化を学ぶ目的があり、私たちは事前に訪れる場所の歴史と概要を調べ、一冊のしおりを作成した。何度かの勉強会で互いに調べたことを発表して、皆で知識を共有することにより、多くの学生が見学に対して意欲的だったと思う。あらかじめ勉強して行くことで、より理解が深まりそのものに対しての見方が異なってくることを実感した。去年より日程が2週間早かったため、奈良・京都のあちらこちらが紅葉で美しく色づき、歴史的建物も一層情趣を帯びていた。体調を崩す者なく、多くの方に支えられて、万事順調に学びある時間を過ごすことができたことに感謝したい。

文:村松由花梨(学部2年)
文:学部2年・小田幸子(学部教員)

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