現在 活躍中の若手能楽師を招いての能楽特別講義が、学部1年生に向けて1月27日に行われた。お招きしたのは、男子部60回生の佃良太郎さん。高安流(たかやすりゅう)囃子方(はやしかた)の一人として大鼓(おおつづみ)を演奏されている。

能楽師の佃良太郎さん
佃さんのお話は、能楽が650年という世界最長の伝統をもつ演劇で、面(おもて)を用いる仮面謡舞劇(かめんかぶげき)であるというお話から始まった。実際に能面を見せて、そこに喜怒哀楽の表情がどう出るのか、また大鼓を学生の目の前で組み立て、打ってみせて、ほんものの音の響き、掛け声と鼓の音で出す表情などについて、実演を交えてわかりやすく伝えてくださった。お話を通して佃さんのあたたかいお人柄も伝わり、講義後に鼓を打ってみたいという学生が何人も佃さんを取り巻いた。
「痛いっ!」これが鼓を打って真っ先に出た学生の感想だった。

能楽の講義を熱心に聞く1年生
能、というと、あまり馴染みがなく、どこか遠い伝統芸能という印象を抱きがちだが、佃さんのお話で少し、その距離がちぢまったようだ。

講義後に佃さんを取り巻く1年生
文・写真:室永優子(学部教員)