私たち自主研究「RO農法への挑戦」グループは10月14日(土)15日(日)に那須農場で活動を行いました。今回は最高学部2年5名、女子部生徒8名、男子部生徒4名、教員2名、の計19名が参加し、土壌動物の採取・調査とライ麦の種まきなどの作業を行いました。土壌動物の採取・調査では大東文化大学教授の橋本みのり先生(女子部70回生)に教えていただきました。
土壌動物の採取・調査
① 土の採取
まず5つの畑の中で1箇所を選んで紐と割り箸を使って縦横50㎝の枠を作り、その枠内の表面の落ち葉や腐りかけの葉を一つ目の袋に、その下の深さ10㎝の土を二つ目の袋に入れました。
② 土壌動物のハンドソーティング
次に室内に移動し採取した土を白いシート上でふるいにかけて土壌動物を探します。このようにして土壌動物を探す方法をハンドソーティングと言います。見つけたらピンセットや吸虫管(ピンセットでつまめないほど小さな昆虫を、吸い口のあるガラス管で吸い込むことによって捕まえる道具)で採取しアルコール入りの瓶に入れます。
③ 土壌動物の種類の調査
最後に採取した土壌動物をシャーレ上に広げて図鑑などを見たり、橋本先生にも教えていただいたりしてどのような種類の生き物がいるか調べました。そして5つの畑でそれぞれ見つかった虫の種類名を黒板に書き出しました。黒板の①は一番目の袋の土、②は二番目の袋の土から見つかった虫を表しています。
④ 調査結果
虫は、環境が敏感に影響し豊かな土の中にだけにいるものをAグループ、どのような環境でも見つかるものをCグループとし、その中間をBグループに分類されています。今回見つかった種類は次のとおりです。
Aグループ:陸貝、ヤスデ。
Bグループ:ミミズ、アザミウマ、イシムカデ、シロアリ、ハサミムシ、ガ(幼虫)、ワラジムシ、ゴミムシ、甲虫(幼虫)、カメムシ、甲虫。
Cグループ:トビムシ、ダニ、クモ、ダンゴムシ、ハエ・アブ(幼虫)、ヒメミミズ、アリ、ハネカクシ。
調査の結果、昨年度から不耕起栽培をはじめた2つの畑では特にミミズが多く、微生物の繁殖に適した団粒構造の塊も多く確認できました。Bグループの虫も多く、どの畑でも様々な土壌動物が見られたので生態系の豊かさを実感できました。
圃場での作業
① 綿の収穫
綿は63個収穫できました。昨年は26個しか取れませんでしたが、今年はライ麦が雑草の成長を抑えてくれたことや、夏に支柱を立てたことなどがあり多く収穫することができたのではないかと考えます。
② さつまいもの試し掘り
さつまいもは今回収穫する予定だったので試し掘りを行ったところ、大きさが約10㎝ほどでした。十分な大きさではなかったため大きくなることを期待して次回収穫することにしました。
③ ライ麦の種まき
昨年に引き続き今年もライ麦の種をまきました。春にライ麦を倒した際、筋まきが一番倒しやすかったので今年は全ての畑を筋まきにしました。まだ収穫が終わっていない大豆とさつまいもの2と3の畑以外にまきました。筋まきは時間がかかり、5の畑は半分までしかまくことができませんでした。
今回は雨が降っている中の作業だったのでいつも以上に大変でしたが、来年度に向けてライ麦の種まきをすることができ良かったです。また、綿の収穫量が増えたことや土壌動物の調査でミミズが多くいたことを通して昨年度からの活動の成果を感じることができました。
文:眞鍋志麻(最高学部2年)・写真:最高学部2年