カリキュラム
ゼミナール - 最先端の大学教育【自由学園 最高学部(大学部)】
カリキュラム
「生活即教育」をQuality of Life に活かす
領域横断研究は、学生の興味関心のある分野の専門力を養いつつ、特定の専門の枠を超えた研究活動を行うことで創造的に探究する力を培います。ライフスタイルゼミは、「生活即教育」を通して見出した課題に向き合い、必要な知識・理論を吸収し、よりよい、より望ましい社会・生活に向けて、解決のための研究を進めています。

ゼミ主任水嶋 敦
特任教授
専門分野:消費者行動、ブランド管理、マーケティング
これまでの研究テーマは、多岐に渡っています。ライフスタイル研究では、若者や高齢者に関する研究のほか、学生のデンマークでの留学の経験から芽生えた問題意識から、日本とデンマークのワークライフバランスやコーヒーの楽しみ方の違いを明らかにする研究やデンマーク体操を日本で普及させる試みに関する研究があります。ブランド研究は、自由学園をブランドとして捉えて価値向上を考えるもので、これまで5年ごとに3回の調査を実施し、変化を捉えています。調査担当に加えて、ライフスタイル視点から改善したい課題を持つ複数のメンバーから成るグループ研 究で進められています。このほか、私たちの生活をより豊かにする改善の研究では、自由学園の教育寮や防災システム、学校行事への参加意識の向上などに加えて、環境問題になっているプラスチック汚染に対して自由学園からできることを整理して提案しています。 研究テーマは、学生自身の興味関心や問題意識からスタートしてテーマを決定します。研究方法は、テーマに関係する先行研究をレビューし既存の知見を整理、深堀して、仮説を立て、実証的な分析を行い、考察するステップで進めています。

松下瑛美
助教
専門分野:人間生活学
「思想しつつ、生活しつつ、祈りつつ」「よく教育するとはよく生活させること」「生活即教育」自由学園が教育理念とする創立者の言葉には、常に「生活」があります。ゼミ所属当初はテーマを考えられないという人も、自分自身また自由学園の生活を見つめる対話を繰り返し、その人ならではの気づきを見つけます。小さな気づきを自分だけのこととせず周囲の人や社会に視野を広げ、様々な分野から必要な学びを深め、よりよい、より望ましい社会・生活に向けた提案をすることは、創立者羽仁もと子先生が生涯行ってこられたことです。この視点を培うことは、いかなる社会でも家庭生活でも大切な基礎になると考えます。

酒本絵梨子
准教授
専門分野:体育科教育学、スポーツ教育、遊びの社会学
ライフスタイルゼミでは、人の生活を豊かにする遊びや余暇のあり方を、生活との結びつきの中で多くの学生が研究しています。自由学園は「生活即教育」の理念のもと、より良い生活とは何かを自然と追い求めてきた基盤があり、学園での友人との関わりを通じて、遊びが日常生活に溶け込み、豊かさを共有する時間として機能していることを深く考察できます。遊びは無駄なものではなく、生活の中で本質的な価値を持つものとして捉えられ、例えばデンマークのヒュッゲ(Hygge)のように、安らぎや心地よさを生み出す時間の概念などを共有して議論することができ、議論が自然に進められているのが特徴です。

S.Nさん
2024年度3年生
こたつで温まる飼い猫
私が研究しているテーマは「なぜ人はペットを飼うのか」です。自分自身、猫などの動物を飼っている経験があり、なぜ人はペットを飼う事によって幸福を感じたり、強い愛着を覚えるのかを知りたいと思ったのがきっかけです。 現在はペットが人に与える身体的健康、精神的健康への影響だけでなく、人とペットの関係性について文献・資料調査を進めています。 今後は引き続き文献・資料調査を行いながら仮説を立て、さらにインタビューを通じて、考察を深めていきたいと考えています。
T.Yさん
2024年度4年生
推し活を楽しむ
私は、自らの生活に根ざした研究をしたいと考え、ライフスタイルゼミに入り、現在は「推しのいる生活~推しがもたらす心理的効果に関する研究」というテーマで卒業研究をしています。 自身のライフスタイルである、「推し活」において、「推し」の定義と社会への影響を明らかにし、推しがもたらす心理的効果を明らかにすることを目的に、「推し」に関する文献調査や、学部生と卒業生へのアンケートを行い考察を深めています。
2023年度卒N.Sさん
システムエンジニア
災害のための備蓄の一部
私の卒業研究テーマは「自由学園における持続可能な防災システムの構築」です。 研究の目的は、近年の自然災害の甚大な被害を目の当たりにし、中等部からの寮生活において、自由学園の防災について知らないことが多いと感じたこと。そして、自労自治の教育を学んできた私たちが、自分たちのことは自分たちでできるようになる必要があると考えたためです。 現在、私はシステムエンジニアとして働いています。お客様がDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する中で、日頃不便だと感じていることや要望を叶えるべく、サポートを行っています。先方に寄り添い、よいご提案をするためには、円滑なコミュニケーションが欠かせません。教職員、学生とのコミュニケーション、卒業研究時のスケジュール管理が、現在の仕事に活かされています。 また、社会人2年目となり、会社のよいところや不便だと感じるところが見えてきました。そこで、現状を見直し、より働きやすい環境づくりのために提案活動を行っています。 自由学園で過ごした生活や考え方の一つ一つが、現在の私の糧になっています。
2022年度卒I.Tさん
地域支援企業代表
高齢者むけスマホ体験会
私は今年の4月に北海道更別村で起業しました。村民の身近な存在として、健康に関するおせっかいをすることで生きがいを創出し、居場所づくりをし、100歳になってもわくわくするまちづくりに取り組んでいます。村民のみなさんと対話するなかで聞こえてきた、「これやりたい!」「こんなサービスがあったらいいな」という思いや願いを実現するために奮闘しています。 ふりかえると学部時代は、ライフスタイルゼミに所属し、校外学習を伴う実習についての考察「日本の食・『勇気米』作りと頒布」のこれまでとこれからを卒業研究としました。具体的には、勇気米に関する歴史をまとめ、現状の課題や、販売方法の見直しをしました。さらに多くの方に勇気米を知ってもらうため、SNSや学園全校へチラシ配布なども実施しました。学部3年からゼミに所属し、好きなこと、得意を研究して形にできたことは、多くの経験と学びを得る機会となりました。これらの経験が、いま「村民と一緒に村をよりよくする福祉」の原点になっています。今後もよりよい地域を目指して奮闘していきます。

2021年度卒T.Kさん
フリーランス
事業所利用者対象の講座の様子
私は、卒業研究で「ティール組織」について取り組みました。ティール組織とは、リーダーがいなくてもメンバーが自ら意思決定を行う柔軟な組織論です。この研究を通じて、権限分散や自主的な意思決定の重要性を学びました。 現在、フリーランスの動画制作者として、これまでに1000本以上の動画を制作しています。YouTube・TikTok・InstagramといったSNS用の動画から、企業の広告動画、ブルーレイ映像など多岐にわたります。また、就労支援事業所と業務委託契約を結び、事業所に常駐しながら動画制作を行う一方で、空き時間や質問を受けた際には障害を持つ方々に動画編集技術を教えています。利用者の方々から学ぶことも多く、さらに同じくデザインやマーケティングを手掛けるフリーランスも常駐しているため、楽しい日々を過ごしています。 卒業研究で学んだ「自ら意思決定をすること」「自分らしくいられる環境作り」「目標の立て方」といった考え方は、就労支援の現場でもとても重要な考え方なので、面談や普段のコミュニケーションなどの時に活かされていることもあります。
2021年度卒S.Kさん
総合電機メーカー勤務
在学中に体操指導者と記念撮影
学部2年時のデンマークへの留学経験から、ワークライフバランスに興味を持ち、卒業研究では日本とデンマークのワークライフバランスを研究しました。比較研究のためにアンケートを実施した際には、自身が留学した時の友人や家族・先生など、計235名に協力してもらい、卒業研究に活用しました。ただ学部4年を終える際、自身が何かを学び成し遂げたとは思い切れず、卒業後は1番興味のあった経営学を学ぶべく、学習院大学大学院経営学研究科に進学し、消費者行動を専攻しました。学術的な面のみではなく、実務に励みたいと思うようになり、今の会社へ入社しました。人々が生活する上で欠かすことのできないインフラに携わりたいという思いからネットワーク分野に興味を持ったからです。社会人2年目の現在は、グローバルオープンコミュニティを通じて海外の業界イベント企画に携わっており、大学院にて学んだマーケティングを生かすべく日々奮闘しています。海外の生活を研究したことにより、グローバルな視点から物事を考えられるようになり、それは今の仕事にも活かせていると思っています。