LAに入学させて頂いたのは、実は「イタリアン」の授業を受けたかったからでした。最初、一流のイタリアン池袋「文流」のオーナーシェフ近藤芳郎先生と聞いてびっくり。このような先生に料理のセンスも知識もないド素人が習うなんてトンデモナイと思い辞めようかと悩みましたが、LAスタッフの小谷野先生から「大丈夫」と励まされ、前に進むことに。
ところが、何と優しい、気さくなシェフ! 料理のコツを教えつつ、イタリアにはイタリア料理と言う料理はないとか、シチリア料理などイタリア各地の料理の特徴とかについて教えていただき、楽しいひとときが始まりました。
授業が始まるまで今日習う料理について判らないのもワクワクです。材料を吟味し、イタリアならではの食材を並べ、先生が始めにひと通り鮮やかに作って下さるのを凝視しながら、自分たちが作る場合を考えて、一心にメモを取ります。
先生の料理が終わると。次は私たちの作る番。2つのグループに分かれメモも見たり、先生の手の運びを思い出したりしながら、始めましたが、先生のようには手際よくいきません。「あー違った」「どうだったっけ」の連続。先生は、「モット火を通して」とか、しょっちゅうスプーンで味を見ながら「ホレ、味を見なさい」とか、「少し塩が足りないな」と塩を掴み高い所から豪快にパッパッ振りかけたりとかされます。そのカッコよさ!
先生は誰も見て無い所でブロッコリーをオリーブ油でソテーしいつの間にか付け合わせを作られたりします。いまは私も朝食には毎日ブロッコリーのソテーを真似して作って喜ばれています。
やっと出来た料理を銘々の皿にとりわけ、先生の作られたお料理と比較しながら「自分たちで作ったのもヤッパリ美味しいね!」と至福のひとときを味わいます。先生はそばでニコニコ。さらに、例えばアーティチョークの料理法とか、さらにイタリア料理のお話を伺いながら、余ったお料理をそれぞれタッパーに詰め、出来立てのお料理を家族にもって帰ります。次の楽しい授業を期待しつつ。
おっかなビックリ受けた授業でしたが、先生のフアンにすっかりなってしまいました。
習い覚えたお料理は材料の揃うものから、家庭でも色々作ることができるようになりました。大変な進歩です。
やってきた孫から、「ジジの生スパゲッティーを」との注文を受け、「じゃあ、今夜は、SPAGHETTINI CON GRANCHIO」(ティーニのカニソース和え・・・実際は冷蔵庫にあるホタテや剥きエビ、ハムなど)と告げると、「ヤッター」と大喜び。生パスタを捏ねる所から孫と一緒にスパゲッティー作りをしたりして楽しい時を過ごせます。何という幸せ。
レパートリーはわずかですが 定番はいろいろなものを使って工夫した「スパゲッティーの○○和え」が私の十八番となりました。
大岡忠昭(3期生)