今週の一冊『ある言語学者の事件簿』/図書館 お知らせ・近況 - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】
図書館 お知らせ・近況
2026年9月14日
『ある言語学者の事件簿』谷口ジョイ著 くろしお出版 2026年
著者は大学で言語学を教える先生で、今の中心研究テーマは静岡県にある井川地方の方言。最初、その前書きと著者の名前を見て、勝手に「男性なのかな? これはペンネーム?」と思っていました。読み進めてみると、私の予想はすべて間違っていました。
谷口さんは父親がアメリカ人で母親は日本人の、日本生まれ日本育ちの女性です。ご結婚の際に、夫の姓と妻の姓どちらを選ぶか話し合った際、夫の姓を選択することになり、このお名前になったそう。「ジョイ」はクリスマス近くに生まれる予定だったからとのことです。
さて、このジョイさんは、とにかく毎日抱腹絶倒の面白い人生を生きています。大学での専攻は数学と、言語学とはまったく違いましたが、ひょんなことから日本語そのものに興味を持ち、そして大学卒業後は数学の教員ではなく日本語教師に。結婚後に大学院の博士課程に入学し、子どもを産みながら(2人目、3人目はなんと年子!)、研究を続けます。
大学への就職の大変さ、研究費獲得の過酷さ、などなど、ニッチな(しかし重要な)話題から、子連れ留学のドタバタや言語学の面白さまで、縦横無尽に綴られるエッセイ集。フィールドワークとビールと野球をこよなく愛し、40代になってから始めた方言研究をぐいぐいと進めるその様は、人生は、いつからでもリスタートできる、自分で決めて行けばいい、ということを教えてくれます。
勇気づけられる一冊。将来のことで悩んでいる方には特におすすめです!(菅)
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