9月24日にオンラインで開催された応用生態工学会第24回研究発表会の「ダム湖・ダム下流」セッションで,学部教員の吉川が「残存陸域としての「ダム湖の島」に注目した予察的調査・検討」と題して口頭発表しました.応用生体工学会は,土木工学分野と生態学分野の研究者が共同し「人と生物の共存」を目標に掲げている比較的新しい学会です.
同学会での以前の発表についてはこちら
内容は(一財)日本ダム協会認定の「ダムマイスター」でもある吉川が,全国の「ダム」のフィールドワークを通じて獲得した,「ダム(人造)湖に浮かぶ島」という特殊な環境を取り巻く生態系トピックについて取りまとめたものです(図-1).人造湖の誕生により,湛水前の尾根の頂部などが水面から露出するなど,島の様相を呈している場所は全国に数多くあり,様々な生物による利用や神域として保全されているケースが見受けられますが,従来ほとんど注目されず,文化的視点も含めて体系化されて来ませんでした.今回そうしたた「ダム湖の島」にスポットを当て,「緊急事態宣言下でも外出をせず可能なフィールドワーク」としてWeb上の地図サービス(Googleマップや地理院地図)等を最大限活用した調査手法により,全国のダム湖の島の数量や実態を網羅的に調査しました.
こうした調査手法は,後期の「フィールド研究基礎(4年課程2年生必修)」の中でも紹介し,「コロナ渦でのフィールドワークの進め方」を考える材料として提供したいと考えています.
文・写真:吉川 慎平(最高学部教員・環境文化創造センター研究員)