学部教員が学会発表で優秀講演賞を受賞/研究・実習 - 自由学園 最高学部(大学部)/ 最先端の大学教育

学部教員が学会発表で優秀講演賞を受賞/研究・実習 - 最先端の大学教育【自由学園 最高学部(大学部)】

研究・実習

学部教員が学会発表で優秀講演賞を受賞

2021年12月24日

2021年9月9日にオンライン形式で開催された土木学会全国大会第76回年次学術講演会において,最高学部教員の吉川は「養老鉄道養老線における歴史的土木構造物の残存状況に関する網羅的調査」というタイトルで口頭発表を行いましたが,研究内容やプレゼンテーション等が総合的に評価され「優秀講演賞」を受賞しました.同講演会での受賞は5年ぶり2度目になります.

 

表彰状

 

内容は土木史並びに地域史に関する基礎資料整備を目的に,三重県と岐阜県に跨る養老鉄道・養老線の全区間(57.5km)を対象とした,歴史的土木構造物の残存状況についての調査報告です.同路線にはおよそ100年前の開業当時に建設された赤レンガを用いた橋梁やトンネルが多数存在しており,その概況や土木的特徴,今日まで残存した要因について明治期の木曽川下流改修工事との関係についての考察を加えまとめました.またコロナ渦で現地踏査が容易でない状況における調査手法として,地図・航空写真閲覧等のWebサービスを活用した事前的調査の有効性についても示しました.

 

発表で用いたスライド

 

同路線に注目した経緯としては,沿線地域における湧水環境の調査を2015年から実施しており,その過程で赤レンガを用いた複数の橋梁の存在を確認したことでした。また南沢キャンパスに隣接した西武池袋線の立野川橋梁にも赤レンガが用いられており,2017年にその歴史的価値について調査・検討した際の手法をベースとしています.なお立野川橋梁については最高学部の紀要である『生活大学研究 Vol.3』に掲載されています.
現在も西武鉄道をはじめ,関東地方の私鉄における土木遺構の実態調査を中心に路線・沿線開発の歴史の調査を継続しており,今後も成果を発信していく予定です.

 

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文・写真:吉川慎平(最高学部教員・環境文化創造センター研究員)

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