卒業研究の成果を学内に還元(2)-校内樹木管理アプリの実装/研究・実習 - 自由学園 最高学部(大学部)/ 最先端の大学教育

卒業研究の成果を学内に還元(2)-校内樹木管理アプリの実装/研究・実習 - 最先端の大学教育【自由学園 最高学部(大学部)】

研究・実習

卒業研究の成果を学内に還元(2)-校内樹木管理アプリの実装

2022年3月13日

2021年度のフィールドサイエンスゼミの卒業研究の中には、学園の運営に直結するテーマが複数ありました。

吉田詩さん(4年生)が取り組んだテーマは「校内でのGISを用いた樹木データの活用に関する研究」で、その実践として校内の樹木管理のためのアプリ開発を行いました。
吉田さんは1・2年次に生活経営研究実習の樹木グループに所属した経験を基に今回のテーマに取り組みました。研究の前半では、10年毎に実施している校内の毎木調査(現在は樹木グループが担当)のデータと、同じく樹木グループが近年GPS端末を用いて取得した樹木の位置情報をデータベース上で紐付け、GIS(地理情報システム)を用いて空間的に可視化しました。後半では、このデータの全学的な活用を目的に、プログラミング技術を習得しながら、マルチデバイスに対応した次の3つのアプリを開発・実装しました・①校内の樹木の分布と詳細情報を閲覧するアプリ、②樹木グループの学生が作業履歴を入力するアプリ。③外構(樹木・庭園)を含めた学園の施設・設備の管理を担うキャンパス・マネジメント本部の担当者が樹木に関する作業履歴を入力するアプリ。②と③は、学生と学校、それぞれが校内の樹木管理を担っているという自由学園ならではの状況から、情報共有をスムーズにするために開発したものです。

 

空間的可視化の一例(発表スライドより)

 

開発したアプリ画面の一例(発表スライドより)

 

卒業式を間近に控えた3月上旬、データベースの微修正を進めるとともに、樹木グループの下級生にアプリ運用ノウハウを引き継ぎました。また3月11日には、一連の研究成果をキャンパス・マネジメント本部の関係者とオンラインで共有する機会も持ちました。
自由学園のキャンパスとそこで展開される生活の中には、たくさんの研究テーマが存在します。中高の生活と学びの上にある最高学部の卒業研究として、課題発見、解決に取り組んだ実践はまさに「生活即教育」といえるものでした。個人の興味・関心を深めながら、その先にある自分の属する社会をよりよくすることまでを視野に入れた実践的研究を今後も展開していきたいと考えています。

 

樹木グループの1・2年生への引き継ぎ

 

オンラインでのキャンパス・マネジメント本部メンバーとの共有

 

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文・写真:小田 幸子(最高学部教員)

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