男子部の名栗植林地での活動を学部生TAがサポート/研究・実習 - 自由学園 最高学部(大学部)/ 最先端の大学教育

男子部の名栗植林地での活動を学部生TAがサポート/研究・実習 - 最先端の大学教育【自由学園 最高学部(大学部)】

研究・実習

男子部の名栗植林地での活動を学部生TAがサポート

2022年10月3日

9月8日(木)、男子部中等科2年生、高等科1年生が名栗地域での修養会のプログラムの中で、名栗植林地での活動を行いました。この活動を最高学部1年生、4年生の2名がTA(ティーチングアシスタント)としてサポートしました。男子部では新型コロナウイルス感染症拡大の影響で従来の植林活動を中止しており、クラス全員で植林活動を経験した学年は、2022年度の最高学部2年生以上という背景があります。

中等科2年生は、前日から植林地に程近い埼玉県立名栗げんきプラザに宿泊しました。当日は植林地の入口に当たる正丸峠まで徒歩で上り、その後植林地に入るためにヘルメット等を着用し、2021年2月に整備された森林作業道を歩いて林内を散策しました。途中、気象観測機器を設置した箇所では、TAとして参加した学部4年の鈴木祐太郎さん(水文・気象観測室リーダー)から機器の説明と設置目的についての解説がありました。雨量計は気象庁検定を受けたものであることを説明した後、雨量計の仕組みについて実際の機器を用いて測定の原理を説明しました。また、観測データが最新の装置により送信可能であることなどの説明には、中等科2年生もとても関心を持って聴いていました。また、学部1年の丸原歩さんからは、男子部の頃から名栗などの植林活動に関心があって何度も訪れていることや、日本の森林の置かれている状況や木材の利用等について学部で研究していきたいという希望を持っていることが語られました。

 

学部での活動について語るTAの2人

 

午後は中等科2年生と入れ替わりで、高等科1年生の植林地での活動が始まりました。当日電車で正丸駅に到着し、徒歩で正丸峠に上がりました。高等科1年生は高等科入学の生徒も含め大人数でしたが、作業道を終点まで散策するグループと、木材の搬出を行うグループに分かれての活動でした。散策グループは、学部4年の鈴木さんが同行して、林内散策のサポートや気象観測機器の解説を行いました。木材搬出のグループは、学部1年の丸原さん(伐採作業にも携わる)がサポートし、フォワーダと呼ばれる作業車に間伐材を積み込みました。これはこの秋から始まる男子部エリアの校舎改装のための内装材として、間伐材を活用するためです。前週に男子部・女子部生有志9名と教員4名、植林に携わってきた元教員1名、そして学部生2名が8本の支障木を伐採して玉切りし、作業道まで搬出しました。これを当日林外へ運び出すにあたり、作業車への積み込み作業を担いました。

 

気象観測機器や森林での水循環について解説する

 

安全面等、間伐材の積み込みをサポート

 

今回、水文・気象観測室の活動や個人のテーマを持って名栗植林地をフィールドとして活用している学部生が、下級生である男子部生の活動のサポートを行うことで、自らの学びの振り返りにもなり、男子部生にとっては学部に進学した上級生がどのような研究・活動を行っているのかを直接知ることができる機会ともなりました。ここ数年は新型コロナウイルス感染症拡大等の影響もあり、フィールドでのリアルな経験をすることが叶いませんでした。これは生徒・学生だけでなく、引率する教員も同様です。
TAとして参加した学生は「これからは、いろいろな機会に自然の中での活動に積極的に参加して、経験を積んで行って欲しい」と男子部生への思いを述べていました。

 

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【総合】名栗植林地:森林作業道を使用した間伐材の搬出

 

文:小田 幸子(最高学部教員・環境文化創造センター次長)・写真:吉川 慎平(最高学部教員・環境文化創造センター長)

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