● 森林作業道の活用
自由学園名栗植林地(飯能市との分収林)では、2021年2月に飯能市、西川広域森林組合と自由学園の3者間で締結した「水源地域の森づくり事業実施に係る協定書」に基づき、埼玉県の「水源地域の森づくり事業」の一環で、効率的な間伐作業のため全長約900mの森林作業道が整備されました。2022年度は整備された作業道を活用して、これまでに最高学部1年生、2年生、男子部中等科2年生、高等科1年生が、クラス単位で林内散策を行いました。
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● 間伐材の搬出
9月8日には、男子部中等科2年生、高等科1年生の名栗地域での修養会に際して、プログラムの一つして行われた林内散策に合わせて、作業道完成後では初めてとなる作業車を投入した間伐材の搬出作業を実施しました。これはこの秋から予定されている男子部体操館改装の機会に合わせて支障木の間伐を行い、搬出して用材の一部とするためです。関係機関への諸手続きを済ませた後、9月4日に元男子部教員の山本幸右先生に依頼し、スギ2本、ヒノキ5本、サワラ1本の伐採と、女子部、男子部の生徒有志と学部生TAも参加して、玉切りと作業道までの搬出作業を行いました。
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8日は、地元・吾野のフォレスト萩原さんに作業車とプロのオペレーターの方の派遣お願いしました。使用した作業車は、フォワーダと呼ばれる集材(運搬)に特化した林業機械で、一定の長さに玉切りした丸太材を積載し林外に搬出するための履帯式作業車(不整地運搬車とも呼ばれる)です。
作業車への丸太材の積み込みは、高等科1年生の希望者が山本先生の指導で行いました。1人ではとても持ち上げることのできない重たい丸太材を、互いに声を掛け合いながら力を合わせて担ぎ上げました。積み込みが終わると、丸太材を積載した作業車は、正丸峠に向かって作業道を軽々と登って行きました。その後、トラックに積み替え、地元の製材所へと搬入しました。
1950年の植え付けから70年が経過し、林内のスギ・ヒノキは太く立派に育って来ましたが、これまでは足場の悪さやその重量故に、間伐をしても林外へ容易に運び出せない状態でした。今回、作業道と林業機械の力を借りて安全に運び出すことができ、名栗植林地での新しい施業のモデルになる機会でした。今後も地元の方の力をお借りしながら、森林資源の循環を意識した森づくりを目指し、積極的な木材の活用を進めていきます。
● 自由学園キャンパスカード
Eセンターでは、かねてより構想していた「自由学園キャンパスカード」を制作し、名栗植林地版、新名栗フィールド版を記念に配布しました。これはキャンパスに関する基本情報をコンパクトにまとめたミニ版パンフレットと位置付けられます。
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文・写真:遠藤智史(環境文化創造センター研究員・女子部教員)・吉川慎平(環境文化創造センター長・最高学部教員)