図書記録資料グループ向けに特別講義/研究・実習 - 自由学園 最高学部(大学部)/ 最先端の大学教育

図書記録資料グループ向けに特別講義/研究・実習 - 最先端の大学教育【自由学園 最高学部(大学部)】

研究・実習

図書記録資料グループ向けに特別講義

2022年10月31日

10月7日(金)、生活経営研究実習・図書記録資料グループの学生・スタッフに対して、吉川慎平先生による特別講義「図書目録検索システムを活用した自由学園関係刊行物の公立図書館への水平展開に関する全国調査」をしていただきました。同年9月に行われた第5回自由学園リベラルアーツ学会での発表内容(20分)をもとに、図書館・アーカイブズを学ぶ当グループ学生のために、より詳細な解説がなされました。

 

出版局刊行書籍を並べて解説

 

講義の様子

 

今回の吉川先生の研究は、全国の公立図書館における自由学園関係書籍(主に自由学園出版局、今回は1979年刊行分から計23冊が調査対象)の所蔵状況を、目録検索システム(横断検索システム「カーリル」および各館OPAC)と、実地調査(実際に図書館を訪問)によりまとめられたものです。公立図書館には市民の知る権利を保障する情報センターの役割があり、その地域の市民ニーズや資料的価値の観点から選書・収蔵されます。公立図書館は行政サービスとして税金で運営されており、その収蔵資料は公共の財産であることから、そうした公立図書館にどのような自由学園関連書籍がどの程度収蔵されているのか、実態を把握することは、今後、自由学園からの出版事業を考えていく上でもとても重要な作業であることをあらためて認識しました。

学生たちは、日頃実習で取り扱っている図書資料について、また公共図書館の役割について新たな視点からとらえ直すきっかけとなり、おおいに刺激を受けたようです。特に、今回の研究方法である、①全国公立図書館の横断検索結果を整理・蓄積、②実際に図書館に足を運んで実物の書籍を手に取り、ウェブ目録には記述されていない細かな情報を収集、③それらの情報をGISを用いて再びデジタル情報として可視化という、複合的な研究手法に圧倒されていました。

図書記録資料グループとしては、今後、地域の図書館や資料館などに実際に足を運んで地域資料について広く学び、また自由学園出版物を地域資料として活用していただけるようご紹介を行うなど、書籍や資料を通じた地域交流や連携に取り組んでいきたいと考えています。

 

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文・写真:村上 民(自由学園資料室)

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