2年生が矢作川学校ミニシンポジウムで口頭発表しました/研究・実習 - 自由学園 最高学部(大学部)/ 最先端の大学教育

2年生が矢作川学校ミニシンポジウムで口頭発表しました/研究・実習 - 最先端の大学教育【自由学園 最高学部(大学部)】

研究・実習

2年生が矢作川学校ミニシンポジウムで口頭発表しました

2023年3月13日

3月4日(土)に豊田市矢作川研究所主催の「第18回矢作川学校ミニシンポジウム」が、愛知県豊田市の豊田市青少年センターを会場に開催されました。矢作川学校ミニシンポジウムは、次世代の研究者育成を目的に、中高生・大学生の研究発表会として毎年開催され、主に矢作川流域の自然科学、人文科学に関する研究発表が行われています。今回、自由学園としては初めての参加です。

 

会場での口頭発表に臨む

 

発表で用いたスライド

 

今回は2年の宮代雅章さんが「溶存イオン濃度が低値を示す矢作川流域の実態と流域の特徴」と題し、15分間の口頭発表に臨みました。
この調査は矢作川の水質に注目したもので、教員の吉川が2017年に実施したものをベースに、5年ぶりとなる2022年の夏と春に追跡調査したものです。宮代さんは、中等科入学前の小学校6年間、矢作川流域の岡崎市に在住しており、矢作川は「ふるさとの川」でもあることから、水文・気象観測室の活動で三重県の海山植林地を訪ねる前後で、二度の調査に参加して来ました。また水質調査の結果に加えて、宮代さん自身で、最近10年間の流域の環境変化として、人口減少に着目し統計データを整理し可視化することを試みました。

 

2022年12月の調査(採水)の様子

 

当日は会場参加の方々からもアドバイスや助言をいただいた他、矢作川研究所の方からも、大学4年生や大学院生に交じって、宮代さんのプレゼンテーションは、スライドの作り方や説明の仕方などが、特に優れていたと励ましの言葉をいただきました。

発表を終えて、宮代さんは「電気伝導率という水質項目について、分かっているつもりで調査をしてきましたが、会場からのコメントを受けて、まだまだよく理解できていない点があり、これから研究活動をしていく上での指標となりました。また、参加の方から自分の研究にも役立つ情報も得られ、とても良い経験になりました」と話していました。

 

質疑応答で質問に答える宮代さん

 

発表を終えて

 

このような河川・流域でのフィールド研究を進めていく上では、対象地への理解を深めるためにも、比較検討のためのフィールドを複数持つことが重要です。
その点で、矢作川は地質等々において関東の河川・流域とは異なるバックグラウンドを持ち、利水面においても全国屈指の高度利用が行われているといった特徴があります。そして何よりも、豊田市矢作川研究所をはじめ、流域圏一体でより良い川づくりを目指した活動が盛んに行われている地域でもあります。

今回、発表の機会を与えていただいた豊田市矢作川研究所の皆様、ご参加いただいた皆様に感謝申し上げます。今後も様々な機会を通じて、流域圏を超えた交流が図れればと思います。

今後も春以降に矢作川で大規模調査を実施し、その後最終的な結果を取りまとめていく予定です。

 

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文・写真:吉川 慎平(最高学部教員・環境文化創造センター長)

 

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