9月11日(木)午後は、関東南部で局地的な大雨が発生し、各地で浸水被害が発生しました。気象庁から記録的短時間大雨情報が相次いで発表され、時間雨量100mmを超えた地点もありました。南沢キャンパスでは、13:10に日最高気温34.0℃を記録する真夏日となりましたが、14:30頃から天気が崩れ大雨となりました。環境文化創造センターが最高学部棟屋上に設置している気象観測システムのデータを解析したところ、降水量は14:30〜15:30までの1時間に84mmの非常に激しい雨を観測しました。時間雨量では2020年の自動観測開始以降最大となります。
南沢キャンパス内では、校内を流れる立野川の水位が1.2m程度急速に上昇しました。創立90周年記念事業で整備された校内雨水排水設備や改修した立野川暗渠(大芝生・テニスコート下のトンネル区間)が一定程度機能を発揮し、目立った浸水被害は発生しませんでした。また、今回はたまたまた降雨継続時間(雨が降り続いた時間)が50分前後と短かったことも幸いしました。加えて高等部の川管理グループの生徒たちが、事前に暗渠入口のゴミ取りを済ませていたことも貢献しました。

9月17日には、今後の治水対策に活かすため今回の立野川の水位上昇の状況についての調査を水文・気象観測室で実施しました。具体的にはレーザーレベルを用いて、水位上昇により付着、漂着した落葉や草木、土砂の痕跡から各所でどの高さまで水位が上昇したかを測量しました。


* 屋上露場の気象観測機器は全て「気象庁検定」を取得しています。
* 自由学園南沢キャンパス屋上露場における観測は、学校法人自由学園と株式会社フィールドプロの二者間で締結した「産学連携による共同研究包括協定」に基づき共同で実施しています。
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文:吉川 慎平(最高学部教員・環境文化創造センター長)