【研究】 高精度の気象観測システムの運用開始と産学連携による共同研究包括協定の締結/環境文化創造センター - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

【研究】 高精度の気象観測システムの運用開始と産学連携による共同研究包括協定の締結/環境文化創造センター - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】

環境文化創造センター

【研究】 高精度の気象観測システムの運用開始と産学連携による共同研究包括協定の締結

2020年3月8日

環境文化創造センターでは全学の教育・研究・マネジメントに供することを目的に、既設の気象観測機器を全面更新する形で最高学部エリアに高精度の気象観測システムを整備した。観測項目は気温、湿度、雨量、風向、風速、気圧、日射量で、各センサーからの信号を10分毎に自動集計記録し、データはインターネットを介してモニター可能である。機器は全て「気象庁検定」を受けており、この度東京管区気象台(気象庁)への設置届出も完了した。これにより安定的にデータが利用・蓄積できる他、本システムを基準値とすることで簡易な機器の校正も可能である。また学園付近には気象庁の観測局がなく(周辺は練馬・所沢・府中と離れている)、今後地域にとっても重要な観測地点と成り得る。

 

観測機器を背に出席者で記念撮影

 

本システムの整備に当たっては、卒業生(男子部42回生)で株式会社フィールドプロ代表取締役の三上正洋さんにご協力いただいた。同社は気象観測機器の設計、製造、販売を手掛けており、2009年度より校内の治水対策を目的とした雨量、河川、地下水の観測等に関してご支援をいただいている。設置工事は2019年10月に最高学部のフィールドサイエンスゼミの3年生2名が同社技術部の方にケーブルの結線等についてご指導いただきながら実施した。設置後、各種試験・調整を重ね2019年12月より段階的に運用を開始している。

また同社と学園は、今後本システムの運用を土台に、共同で気象観測(機器)に関する研究・開発を推進するべく、「産学連携による共同研究包括協定」を締結する運びとなった。2月21日には関係者出席のもと、最高学部で本システムの運用開始記念式を兼ねた締結式を最高学部棟に於いて開催した。

 

運用開始記念式・協定締結式の様子

 

冒頭、杉原環境文化創造センター長は「これからの共同研究は自由学園の実学スピリットとイノベーションを常に意識して進めて行きたい」と挨拶した。続いて三上さんは「世界基準の気象データは学園の貴重な財産になる、これを活かした研究を期待しています」とお話された。また高橋学園長は感謝の言葉と共に「基準になる機器が設置できたことは本当に有難い。実物に即した学びとこうしたデータを結びつけていきたい」と挨拶された。その後三上さんと村山理事長による協定書の交換が行われ、最後に村山理事長は「卒業生の方がこのような仕事に従事され、また自由学園と繋がっていけることを本当に嬉しく思います」と挨拶された。

今後は全学での利活用に向けてデータベースの開発・整備等を推進する。またシステムの運用等は最高学部の講義とも関連させていく計画である。

 

協定書の交換
協定書を手に

 

文・写真:吉川 慎平(環境文化創造センター・最高学部)

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