2年生フィールド研究基礎:空間や対象を捉え表現する様々な「ものさし」にいついて学ぶ/教養・専門 - 自由学園 最高学部(大学部)/ 最先端の大学教育

2年生フィールド研究基礎:空間や対象を捉え表現する様々な「ものさし」にいついて学ぶ/教養・専門 - 最先端の大学教育【自由学園 最高学部(大学部)】

教養・専門

2年生フィールド研究基礎:空間や対象を捉え表現する様々な「ものさし」にいついて学ぶ

2022年11月13日

11月10日(木)の4年課程2年生対象(必修)の「フィールド研究基礎」では、リアルな空間を捉え表現する様々な「ものさし」にいつて学びました。

本講義についてはこちら

第4回となる今回は、フィールド研究を進める上での空間(主として距離)に対する認識を深めるための演習と講義を行いました。はじめに、各自が自由学園の正門から最寄りのひばりヶ丘駅までの案内図を描く時間を持ちました。普段暮らしている身近な場所であっても、いざ白紙に描くとなると、道のつながりやランドマークの位置などの記憶は曖昧で、皆苦労している様子でした。更に、スケール感を養う目的で、皆がよく使う正門から駅までの最短経路は何mあるか?というクイズを出し、全員に回答してもらいました。想像した距離と、実際の数字とのギャップに驚きの声が上がりました。

ここから実際に空間や対象を捉える「ものさし」として、我々は共通の単位を持っていること、その手がかりとして、様々な距離を測る道具があり、また目的に応じて精度を選ぶ必要があることを紹介しました(今回は目に見えて手の届く大きさを想定)。一口にものさしといっても様々なタイプがあることを、実際に道具を手に取って確認してもらいました。またこうしたものさしを画像を記録する際に写し込むことも有効であることについて、様々な事例写真を用いて紹介しました。

 

教室で紹介した「ものさし」の一部

 

次に空間や対象を理解し表現する「ものさし」として、国内で一般にスケール感の共通認識が持てるもの(様々な自然物、建築物や物品)との「比較」が有効であることを紹介しました。具体的には、富士山や東京スカイツリーの高さ、東京ドームの面積や体積、その他、10tダンプカー、25mプール、ドラム缶に換算する例がよく用いられることを示しました。一方でローカル(コミュニティ内で有効)なものさしとして、皆が学ぶ最高学部棟の高さや大芝生の縦横の距離や面積なども紹介しました。

こうした「ものさし」即ちスケール感を持って、できる限り定量情報として空間や対象を捉え表現することは、フィールド研究において重要な点であことを今回の演習と講義を通じて確認しました。

次回は、様々なWeb地図、GIS(地理情報システム)を活用した、空間認識について取り扱います。

 

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文・写真:吉川 慎平(最高学部教員・環境文化創造センター長)

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