2月8日(土)、「日本の里山・里川・里海と地域デザイン」と「那須農場の学びと持続可能な農業・地域つくり」(自由選択科目・全学年対象)の最終回があり、 1年生2名、3年生5名、計7名がそれぞれの2024年度の最終課題発表を行いました。
「日本の里山・里川・里海と地域デザイン」では主に荒川流域をモデルに、現在・将来の課題を見据えた「新しい地域デザイン」に資するアイディアを検討することを目的とし、各自の興味関心をもとに課題・問題認識を明確にしてテーマ設定を行いました。2024年度新規開講科目「那須農場の学びと持続可能な農業・地域つくり」では、那須農場水田での米作りに加え、農場の歴史や那須地域についても学び、各自が関心を持ったテーマを定めました。いずれも、レポート作成の後にゼミ形式で1~2回の発表を行い、ブラッシュアップを経ての最終発表です。
当日は、受講生以外に高橋和也学部長、環境文化創造センター次長の鈴木康平先生も聴講してくださいました。

発表タイトルは以下の通りです。
【日本の里山・里川・里海と地域デザイン】
・北海道の鉄道が抱える問題
・古民家と地域の特性を活用した観光地化
・人口減少等による文化・伝統継承の難しさ
【那須農場の学びと持続可能な農業・地域つくり】
・日本の稲作の意義
・農機具における過去から現在の変遷
・気候変動における栽培品種の選定の変移に関する調査
・会計から考える持続可能な活動
・那須地域の歴史と発展
・那須野が原の大農場と開墾
・生活を支える水 那須疎水
・2024年度那須農場水田の米作り(勇気米)報告

発表内容には、学部の講義やフィールドワークから得た気づきや知見なども含まれており、学部の段階でこれまでの経験や授業で学んだことがその人の中で融合しまとまっていくことが実感することができました。各発表の後には質疑応答の時間をもちましたが、学部長をはじめ出席者からも活発な質問・意見が出ました。
発表の最後に、今年度の受講生からの感想を聞き合いました。
「去年まではただ米を作って売って終わりという感じで、農場に行って水田に行くだけだったが、今年は流域という視点で那須野が原全体に目を向け、地域のことに学びを深められた」
「今年、この講義をとって那須農場にも初めて行くことができ、学園のフィールドを活かした学びができたと思う。里山の講義での見学も初めてのことが多く、とても楽しかった」
「去年も勇気米作りの授業をとったが、米についてはざっくり触れるだけだったが、今年は詳しく学ぶことができた」
「履修の動機は単位が欲しいという不純なものだったが、授業をとって米栽培のこと、農場の成り立ちなど知見が深まった。米作りのまとめをして主体性を持たないといけないという自身の課題にも気づくことができた」
「受講生が去年より少なくなったことで、手作業の大変さを実感した」
「講義内容が新しくなり、研究的な要素が深まったと思う。自分は何となく米作りをしているだけでは物足りなかったので、この取り組みはとても良かったと思う」
学部長からは「みんなの取り組みがそれぞれとても面白かった。異なる学年の人が集まって学び合うのもとても良いと思った」との感想をいただきました。今回の学びを通し得た知見や経験を活かし、これからの学部の実習や研究活動が充実したものとなるように願っています。
関連記事はこちら
(2024/1/13)講義「日本の里山」で2023年度の最終課題発表会を開催しました
(2023/1/24)講義「日本の里山」で最終課題発表会を開催しました
文:小田幸子(最高学部教員・環境文化創造センター次長)・写真:吉川 慎平(最高学部教員・環境文化創造センター長)