講義「日本の里山」で最終課題発表会を開催しました/教養・専門 - 自由学園 最高学部(大学部)/ 最先端の大学教育

講義「日本の里山」で最終課題発表会を開催しました/教養・専門 - 最先端の大学教育【自由学園 最高学部(大学部)】

教養・専門

講義「日本の里山」で最終課題発表会を開催しました

2023年1月24日

3学期が始まって間もない1月14日(土)、今年度最高学部で新規開講された講義「日本の里山・里川・里海と地域デザイン」(自由選択科目・全学年対象)の最終回があり、1年生が6名、2年生1名、4年生1名の8名が秋期課題の最終発表を行いました。

本講義では、現在の地方・地域の直面する課題を見据えつつ、それぞれの地域が持つポテンシャルをフィールドワークや文献調査を通して再発見し、これからの地域デザインを考える「素材」を集め、可能であれば何らかの提案を行うところまで行うことを目指してきました。春期には、地域をとらえる考え方として「流域」と言う概念に着目していくこととし、岸由二『流域地図の作り方』を読んでのブックレポート、実際に流域を体感することや、現代の里山を知るための見学を計3回(自由参加の1回含む)行いました。秋期にはそれぞれが興味・関心のある課題・問題認識を設定・整理し、課題・問題解決に向けての先行事例等の調査を行った上で、レポートを作成して講義内で発表し、他の受講生の意見等をもらってブラッシュアップするという過程を2回行いました。

 

講義内発表会の様子

 

14日(土)は受講生以外に環境文化創造センター次長である鈴木康平先生にも聴講していただき、最終発表を行いました。

発表タイトル(テーマ)は以下の通りです。

・自由学園を主体とした田園都市にとっての自然的価値-J.J.ルソー『エミール』を主とした自然と教育のあり方-(1年)

・河川における各種“堤”の事例調査と身近な装置への応用(1年)

・地形図から読み解く地域産業の変遷-荒川流域横瀬地区における養蚕の歴史的変遷と実態調査-(1年)

・若者の力で地域をよくする(1年)

・森林環境の改善から流域を考える(1年)

・里山が抱える問題から考える新しい里山の考案(1年)

・日本の里山におけるシカ害の実態と対応策の考案(2年)

・新河岸川流域における健全な水循環への取り組み(4年)

 

発表内容には、他の講義や実習から得た気づきや知見なども含まれており、学部段階でこれまでの経験や授業で学んだことがその人自身の中で、融合しまとまって行く萌芽を感じることができました。また、殆どの学生が資料・文献調査だけではなく実際のフィールドワークを行っていたことも特徴的でした。

この講義を受講しての振り返りからも「この講義で学んだことが他の講義の内容とつながることが多く、学部のリベラルアーツの学びを実感することができた。私の中では初めて学ぶことが多い分野だったので自分の視野や知見は大きく広がったと感じる。(1年生)」「当初、この講義には「学外に連れて行ってもらえる」ということを第一に感じていたが、回数を重ねるごとに「尽きることのない学び」を実感する場になっていった。研究は一旦転がり始めると止まることはなく、知見は否応なく自身に積み重なった。1ヶ月に1回というスパン、かつ何回にもわたるレポート答申は他講義とは全く異なる世界観で、学部生活へのとても良い刺激であったと思う。(1年生)」といった感想が聞かれました。

今後特に1・2年生は最高学部での実習や研究、自主活動等に今回の経験を是非活かして行ってもらえればと思います。なお、今回の各種提案を講義内に留めず、希望する1年、2年の2名は、2月26日(日)に行われる「あらかわ学会年次大会2022(主催:NPO法人あらかわ学会)」にて発表を行う予定です。

 

プレゼンテーションの様子

 

実験に使った材料を説明するメンバー

  

関連記事はこちら
(5/17)「日本の里山・里川・里海と地域デザイン」開講
(5/23)講義「日本の里山」で三浦半島・小網代の森を見学
(6/3)講義「日本の里山」で新しい武蔵野をテーマに見学
(6/11)講義「日本の里山」で荒川流域についての事前学習
(6/24)講義「日本の里山」で荒川流域の見学を実施(1回目)
(6/29)講義「日本の里山」で荒川流域の見学を実施(2回目)
(10/30)講義「日本の里山」で各自の関心領域を聞き合う
(11/14)講義「日本の里山」で各自の関心レポートにまとめて発表

 

文:小田 幸子(最高学部教員・環境文化創造センター次長)・写真:吉川 慎平(最高学部教員・環境文化創造センター長)

カテゴリー

月別アーカイブ