9月12日朝、7月の始業式以来 二回目となる「みんなの日」。
雨模様のなか97名の学生が健康記録を提出し、検温チェックを受け、記念講堂に集った。
礼拝に続き恒例の学生によるスピーチ「忘れられないひと」は、4期生中西健治さん。45年前に赴任先の利尻島で昇級試験を前に悩んだとき、上司のI課長に励まされ思い切って受験し合格。東京転勤の道が開け,それが今の暮らしに繋がっている、と思い出を語った。
教養講座は、食環境ジャーナリスト・食総合プロデューサーの金丸弘美氏による「地域の力が未来をつくる-地域の創生が次々うまれているー」と題した講演。
金丸氏は総務省地域アドバイザーとして日本各地での地域おこしに関わり著書も多数。コロナ被害の中でも業績を維持している多くのプロジェクトについて熱く語られた。
石川県白山市では米作農家が国内消費が減り続ける米を売るため、「食べ方を売る」と発想転換し他業種とも連携した地域おこしが成功して地域の米価格が上がった。
愛媛県今治市では特産のイチゴを観光資源とし、地元の女性達の目線で独自性を見直して製品に反映させ成功、地域雇用にも繋がった。
行政と住民が一体となってコウノトリの野生復帰をめざす高知県豊岡市では、無農薬の米をアピールするために地域の学生達と連携して「食のテキスト」を作りワークショップを開き、生産から食べ方までを提案するプロジェクトが文部大臣賞を受賞し、米の価格は1.5倍になった。
こうして、地域の独自性を見極め、みずから発信する力を獲得した例をあげながら、若者や女性、海外からの新しい視座の大切さや、他業種やマスコミなど周囲を巻き込みつつ、消費者に田舎の文化を伝える大切さなどを話された。
名前の上がった地域はどこも魅力的で、ぜひ訪れてみたいと思わせる説得力のある講演であった。
その後は家族毎に分かれてのミーティングとなり、初めて家族が顔を合わせて自己紹介をした。限られた時間を気にしながらも和気藹々の時間となった。
小林伸江