今週の１冊「ルリユールおじさん」／図書館 お知らせ・近況 - 一貫教育の【自由学園】／ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

2022年10月31日
『ルリユールおじさん』  いせ ひでこ作 理論社
舞台はパリ。路地裏の静かな通りにひっそりとルリユールおじさんの店はあります。「ルリユール」とは手仕事で行う伝統的な製本のこと。少女ソフィーは大切にしていた植物図鑑がばらばらになってしまい、途方にくれていました。「ルリユールおじさんのところへ行けば直してくれるよ。」という言葉を聞き、やっと探したのがこのお店だったのです。おじさんの手によって、ソフィーの目の前で植物図鑑はどんどん修復され、生まれ変わっていきます。その細かい工程が紹介されている絵を見ながら「こんな丁寧な作業があるのか……」と感動せずにはいられません。出版業と製本業の兼業が長く法的に禁止されていたパリでも、６０以上の工程すべてを手作業できる製本職人は一桁になっているそうです。やがて、世界で1つだけの美しい植物図鑑が出来上がって少女の手に渡ります。
この絵本は日本で2006年発行され、そして2007年にはフランス語版が出ています。
フランスでの出版と同時に、パリでいせひでこさんの絵本原画展「絆」が開催され、オープニングのスピーチは、当時まだご存命だったミッテラン元大統領夫人（Danielle Mitterrand）がされたのだそうです。

秋も深まる季節にぴったりの絵本はいかがですか。

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