今週の1冊『文学キョーダイ!!』/図書館 お知らせ・近況 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

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今週の1冊『文学キョーダイ!!』

2023年11月20日

2023年11月20
『文学キョーダイ!!』 奈倉有里×逢坂冬馬  文藝春秋
この本に登場するお二人は姉弟です。弟の逢坂さんは2022年の本屋大賞を受賞した『同志少女よ、敵を撃て』(早川書房 2021)の作者です。お姉さんの奈倉さんはロシア文学者で、著書の『夕暮れに夜明けの歌を』(イーストプレス 2021)が紫式部文学賞を受賞されています。このお二人が姉弟ということは、ある頃までは殆ど誰にも知られていませんでした。しかし同時期に出された本がいずれもロシアに関わる内容で、それを見て、高橋源一郎さんがご自身のラジオ番組にお二人をゲストで招いたそう。高橋さんもその時に初めて二人が姉弟だと知って文字通りひっくり返ったらしいです。本書は対談本で、先の2冊の本の執筆について、二人が育った家庭環境について、そして今のロシアについて、などが語られます。特に家庭環境部分は興味深いです。戦争体験のある母方のお祖父さんのトルストイのついての話やその生き方が、二人の今の仕事や生き方に影響を与えていることが、本書の後半から感じられます。戦争体験の継承、そして戦争が起きている他国のために、「今私たちができることは何か」については二人の意見は一致していて、私も深く賛同しました。世界各地で戦争が起こっている今、沢山の人と一緒に読みたい一冊です。

 

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