今週の1冊『読まれる覚悟』/図書館 お知らせ・近況 - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】
図書館 お知らせ・近況
2025年5月26日
2025年5月26日『読まれる覚悟』桜庭一樹著 ちくまプリマー新書小説家の筆者が、自分の作品が読者に読まれたときに、どんなことが起こったかを詳細に書いた作品です。小説を書く過程については、これまでも作家のエッセイなどで知る機会がありましたか、自分の作品を読まれた作家がどのような心境になるのか、というのは初めて知りました。本を出してもすぐにすべてが売れるとは限りません。せっかくデビューしたのにその後なかなか本が売れず、もうこれが売れなかったら・・・という段になってやっとじわじわ売れ始めるとか、内容については、書き手にとって意図せざる受け取り方をされるとか、なかなかリアルな内容が多く含まれて読み応えがあります。また、作家には女性が増えてきたのに、批評家は圧倒的に男性社会であることからは、まだまだ平等には程遠い世界があることを突き付けられます。そして桜庭さんの視点で興味深いのは、自分が常に無意識のうちにマジョリティの側に立って書いていないか、ということを気にしているということでした。これは、小説家だけでなく、すべての人が持っていられたらよい視点なのかなと感じました。
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