今週の1冊『疲れすぎて眠れぬ夜のために』/図書館 お知らせ・近況 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

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今週の1冊『疲れすぎて眠れぬ夜のために』

2025年6月9日

2025年6月9
『疲れすぎて眠れぬ夜のために』内田樹著 角川文庫 
新年度が始まって約2か月。そろそろ疲れがたまってくる頃かもしれません。そんな時に読んでいただきたい一冊です。なにしろ、最初の章のタイトルが「ワンランク下の自分に」です。世の中には、「ワンランク上の自分を目指して」的な考え方が満ち溢れている中で、ちょっと驚かされます。
明治以来、特に学校という環境の中ではワンランク上の自分を目指す人がよしとされてきました。それがすべて悪いわけではありませんし、向上心をもって努力することで、できなかったことができるようになる、それに伴って達成感を得られる、という良さもあります。ですが、上ばかりを目指していると、それが達成できないというストレスに苦しみ続けることになる、と著者は書きます。ではどうすればよいのか。
「どこかで自分の持ってる知性的な、あるいは身体的な資源の限界を知って、それを優先順位の高いものから順番にうまく配分するということも覚えなくてはいけません。」(同書p12)だそうです。
向上心を持つことはよいことですが、無理をし続けると自分が壊れてしまいます。心身のバランスを保って、「あ、これ以上頑張りすぎたら、壊れるな」と思ったら少しペースを落としたり、休んだりする。その調節をためすのも学校での大事な勉強なのかもしれません。他にも家族を愛することはどういうことなのか、が書かれた部分などはかなり読み応えがありました。
自分が常識だと思っていることを、いったん横に置いて読んでみていただければと思います。

 

 
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