今週の一冊『魂の教育』/図書館 お知らせ・近況 - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】
図書館 お知らせ・近況
2026年5月11日
2026年5月11日『魂の教育』森本あんり 岩波書店 2024年
雑誌「世界」で連載された「ボナエ・リテラエ」をまとめた一冊です。森本あんりさんは1956年生まれの男性です。私はこの方のお名前を最初に見かけたとき(新聞だったか本でした)、女性かな?と思いました。次にお写真付きで見たときに、男性の方だとわかり、だとすると作家名なのかな(つまり本名ではない)と思っていました。しかし、この本でわかったことは、これが森本さんの本名だということです。なぜこのお名前になったのかが、ご自身の生い立ちと共に語られます。
森本さんは国際基督教大学を卒業後、日本の神学校で学び、四国の教会で牧師として働きはじめます。その後米国の神学校へ留学、帰国後は大学で長く働かれました。この本は副題が「よい本は時を超えて人を動かす」ですが、著者のこれまでの人生と、その時々で出合ってきた本が平行して紹介されます。
神学の本など、難しそうなものが多いのですが、著者の人生がドラマのようなので、飽きさせない内容です。特に最終章で、生みの母(著者が4歳の時に病気で亡くなります)が著者に何を願っていたのかが50年の時を経て明らかになり、読者はそれまで読んできた彼の人生がすべてそこにつながることに驚かされます。
岩波書店から出ている学者の本というと、かたい内容なのでは?と思うかもしれませんが、この本は少し違いました。「読む」ということと「体験する」ことが有機的につながると、人生が驚くほど豊かになることがわかります。
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