今週の一冊『海外サッカーの世界』/図書館 お知らせ・近況 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

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今週の一冊『海外サッカーの世界』

2026年6月8日

2026年6月8
『海外サッカーの世界』赤木真二 写真・文、(株)カンゼン、2026年5月刊行

 

『サッカーダイジェスト』『Sportiva』『Number』といった名だたるスポーツ専門誌に長年にわたり写真を提供してきたカメラマン・赤木真二氏(男子部35回生)が、ご自分の40余年にわたる仕事をひとつの本にまとめられました。ある日の午後、使いこまれた赤いキャップを手に本書を届けてくださった赤木さんに、お話をきくことができました。

赤木さんが最初に云われたことば―「これは僕の報告書です。」

うながされるまま、ページをめくってみます。サッカー選手の名前も顔も有名なリーグもほとんど知らない私ですが、触り心地のよい紙をめくるたびに、乾いた空気、土の匂い、おそろしく熱い息、ボールの擦れる音、スペイン語なのかイタリア語なのか英語なのかわからないけど、とにかくものすごい怒号と歓声、それらの世界に入り込んでいくのを感じます。知らない場所に、気が付いたら自分も立っているような感覚です。

立つ、といえば、本のちょうど真ん中くらいに見開きの写真があります。「2002年10月27日、ラ・リーガ、レアルマドリード対ビジャレアル(マドリード) スローインのためにタッチラインに立つロベルト・カルロス」 地面をとらえ、力に満ちたふくらはぎへのフォーカスが静と動を伝えます。

「僕は長いこと一年じゅう旅をしながら写真を雑誌に発表してきて、自分の仕事を振り返ったり整理することをしてこなかった、その時間もなかった。けれど今回、約1年かけて自分で写真を選び、ひとつにまとめてみて分かったことがある。自分が撮りたかったものはこれだったんだなって分かったんだよ。自分は撮りたいものを撮ってきたんだなって」

写真は時系列では並んでいません。掲載誌も紹介されていない。その日その時自分が何を見たのかだけが、短いキャプションで添えられているだけ。そこに旅のスケッチのような端正なエッセイがそっと挟まれています。額縁に収められていない、生(なま)の写真によって緊密に構成されている本書は、サッカーを愛する人にとって垂涎の一冊になること間違いなしですが、一時代を凝視してきた人間の仕事の記録、報告書としての味わいを教えてくれる本でもあります。

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