神奈川県藤野にあるシュタイナー学園を初めて訪問。大変刺激的な時間を過ごさせていただきました。
今回訪問したのは高等部でしたが、この学校との最初の出会いは、30年ほど前、三鷹にあった東京シュタイナーシューレの時代に遡ります。当時の東京シュタイナーシューレは小学校段階が出来上がったところで、進学先の中学として、自由学園男子部を選んでくださった方々がいらしたのでした。
O君兄弟、N君兄弟、K君と、次々に入学してきた彼らからは、共通する内面的な魅力が感じられ、穏やかさの中にも、「自分自身」が大切に育てられた人たちという印象を受けました。
さらに時代を遡れば、ルドルフ・シュタイナーによりシュトゥットガルトに最初のシュタイナーの学校である「自由ヴァルドルフ学校」が設立されたのは1919年。自由学園創立の2年前です。両校はほぼ同じ時代に、人間の自由を尊重する新しい教育を志して誕生した学校です。
そのようなご縁もあり、一度訪ねたいと思い続けていたシュタイナー学園でした。先生方とお話しし、校内を案内していただきました。

校内見学では、生徒たちが校庭に埋めて制作したというイノシシの骨格標本にまず驚きました。研究のためにと冷蔵庫で保存されていた内臓パーツは生々しく、さらに「今はシカを埋めています」という言葉にも驚きました。
生徒たちの研究レポートも興味深いものがいくつもありました。一つひとつの実践から、生命を深く見つめ、自然との関わりの中で学ぶ教育の姿勢が伝わってきました。
ベルリンをテーマとする舞台発表を終えたばかりとのことで、廊下に並ぶ衣装などからその熱気も感じられました。
音楽室では中学3年生によるオイリュトミーの授業を見学させていただきました。数日後に発表を控え、仕上げの練習をしているところに突然お邪魔しました。テーマは「静けさ」でした。
オイリュトミーはこれまで写真では目にしていましたが、実際の授業を見るのは初めてで、心と身体をつなぐ生徒たちの表現に心を動かされました。
先生方とは、それぞれの学校が大切にしている教育について語り合うことができ、教育の自由を守ることの大切さと、その難しさについても課題を共有できたことは嬉しいことでした。
このお話の中で特に印象的だったのは、シュタイナー自身が1919年、学校創設に先立ち、すでに教育の理想と社会の現実との隔たりについて語り、自由が実現されていない社会における「妥協」の必要性にも触れていたと伺ったことです。国家や社会の要請の前で、教育の独立、教育の自由をどのように守るか。これはまさに現在私たちが抱えている課題です。
私はこれまで、シュタイナーは精神世界を重視する思想家という印象を持っていたため、学校設立にあたり、こうした現実との折り合いについて率直に語っていたことに新鮮な驚きを覚えました。理念と現実の接続をどのように考えていたのか、あらためてシュタイナーの著作を読み直してみたいと思いました。
今回の新たなつながりから、両校の交流が少しずつ深まり、ともに学び合える関係が育まれていくことを願っています。温かく迎えてくださった先生方、生徒の皆さんに、心より感謝申し上げます。















