2007年から始まった、那須農場の田んぼを利用した安心・安全なお米作りを目指した有機米作りから頒布を通じた流通の研究を行う「自主研究」は、これまで放射能の影響を配慮して那須地域での活動を控えて、近隣でできる範囲の補助的な調査と「頒布会」だけを続けてきましたが、今春から最高学部生に限り条件付き那須地域の活動が認められて２年ぶりに直接学生が手を掛けたお米作りができました。
忙しい生活の中で那須に通い、お米作りを通して自然の力強さと自分たちの微力さを痛感した半年の記録を見てください。
「勇気米」（無農薬米）とは？
無農薬によるお米の栽培は、雑草が非常に多く除草に大変手間がかかることを覚悟で取り組んでいることから「勇気米」と命名しました。日本農林規格(JAS)法による厳しい基準による認証を受けていませんので「有機米」表示をしていません。
「11月下旬に那須のお米を皆様にご賞味いただく「頒布会」を始めます。
田植え 5月11日（土）、12日（日）
前日の雨が上がり、澄んだ空から太陽が差し込む絶好の天気の下、10人が参加して田植えを行いました。毎年学園のお米をご指導して下さっている近隣農家の八月朔日（ホヅミ）さんと皆で、ライン引きから始め、久しぶりにオタマジャクシや虫のいる土の中に足を入れながら苗を植えることができて、大きな喜びを感じました。参加した学部生は、多くの自然の力を学び、牛舎の清掃もお手伝いできて、久しぶりに農場の方々の働きを体で感じることができました。
雲の上で田植え？
これから大きく成長します
除草（1回目） 6月8日（土）、9日（日）
ご指導いただいている八月朔日さんに、雑草の取り方を教えていただいて一日かけて除草に取り組みました。前日の雨も上がり、そんなに熱くない好天の下で作業を終えました。
八月朔日さんによる“除草”のご指導････ヒエと稲の区別が難しい
苗は、しっかりと成長しました
除草（2回目） 6月29日（土）、30日（日）
3週間で稲は、膝を超えて太ももくらいまで成長しました。
除草（3回目） 7月16日（火）、１７日（水）、18日（木）
雑草の種子を観察するための土壌のサンプリングも行いました。
除草（４回目） 9月21日（土）、22日（日）
稲刈りに備えて、ヒエ抜きを行いました。
収穫（稲刈り）10月13日（日）、14日（月）
台風の雨風にも何とか持ちこたえて、たくましく育ってくれました。
刈り取った稲を“結束”、八月朔日さんの指導 / 挟掛け（はざがけ）用の棚作り
どっしりと実った稲、頼もしい！
束ねた稲を柵に掛ける / 収穫の喜び
作業終了！これで約2～３週間天日干し（挟かけ）して“美味しいお米”に仕上げます。
脱穀と籾摺り 11月3日（日）、4日（月）
2度の台風来襲で、3週間をかけた“挟かけ”から稲の束を下して車に積み込みました。
脱穀したもみ殻付きのお米
八月朔日さんのお宅で、籾摺りの機械にかけ、「玄米」に
八月朔日さん、今年もご指導ありがとうございました
ご指導いただいた、近隣農家の八月朔日さんをはじめお手伝いいただいた方々、那須農場の皆様に感謝とお礼申し上げます。人数の少ない自主研究チームを助けてくださった学部生の皆さんにも感謝します。
「勇気米」自主研究グループ：
学部1年 花井聖仁（リーダー）・岡本沙樹（会計）・荻野早奈美・柴谷智之・種房史花
学部4年 田中真人・須藤秀実・梅津史雅
指導 中村祐二
