2月19日から23日までの4泊5日間、最高学部4年生35名は沖縄県で卒業研修旅行を行なった。
沖縄は第2次世界大戦時において日本国内で唯一の地上戦の戦場となりそして、現在も国土の18%がアメリカ軍基地であることから、「戦争と平和を考える」ということをねらいに、本島の史跡および第2次世界大戦に関係する資料館、美術館を中心に見学を行なった。具体的には、第2次大戦中に病院壕として使われていた糸数壕、沖縄戦における最大の激戦地であった嘉数高台、沖縄戦に関する水墨画を数多く手がけた丸木位里、俊 夫妻の絵が飾られる佐喜眞美術館、ひめゆり学徒隊を記念して設立されたひめゆり平和祈念資料館、そして平和記念公園などの見学を行なった。特に、ひめゆり資料館においては、戦争当時の学徒隊員のお一人で、米軍による塹壕爆撃の中を生き残ってこられた方に大戦中の様子について直接お話を伺う機会に恵まれた。生存者の方が語る沖縄戦の様子はあまりにも衝撃的なものであり、多くの者が涙なくしては伺えないものであった。お話をされた方は1時間以上に渡るお話の最後を「この先の時代がどうなるのかは分からないが、戦争だけは絶対にあってはいけない。そのためにもあなた方のような若い方々が平和を創りだす生き方をして欲しい」と結ばれた。20年あまりの人生を戦争とは全く無縁に過ごしてきた私たちにとっては、戦争や平和という事柄がどこか教科書の中のお話になってしまっている側面があったが、今日私たちのおかれている「平和」という状況に対して深い反省の念とともにこれから生きていかなくてはならないことを強く意識するひとときであった。
旅行の期間はこの他にも、沖縄の自然に触れる機会や現地に在住されているOBの方を交えての食事の機会にも恵まれ、卒業を控えた私たちにとって今までの私たち自身を育んできた、クラスそして自由学園とのつながりを改めて確認する充実した、良い機会となった。この旅行で得たものを残り少ない学園での生活、そして4月からの社会での生活の中でも活かしていきたいと思う。
最後に、旅行を通してお世話になった㈱ＪＡＬセールスの村嶋成人さん（男子部45回生）、引率の五十嵐清文先生、そして父母の方々にこの場をお借りし厚く御礼申し上げます。
沖縄ワールドにてガイドの方より説明を受ける 嘉数高台の塹壕
ひめゆり資料館前の塹壕跡の見学 平和記念公園前でガイドのかたより説明を受ける
今帰仁城にてガイドの方から説明を受ける 小字利大橋付近の海にて
佐喜眞美術館から望む普天間飛行場 首里城での集合写真
文・写真：渡部俊太郎（学部4年）
