10月上旬に、最高学部が協定を結んでいるポメラニアン大学(ポーランド・スウプスク市)を訪問しました。これはエラスムス・プラスの派遣プログラム(EUが提供する大学生、教職員対象の教育交流プログラム)によるものです。
10月9日から一週間滞在し、その間に2コマの教育学の講義を行いました。教育学部と外国語学部の学生に向けたもので、日本の教育課題について取り上げ、学生からも「日本の学校で協調性が重要視されてきたのはなぜか」という問いも出て議論が展開されました。




新年度スタートの式典には学部長の代理として出席し、学長はじめ大学関係者やウクライナ、カザフスタンなどの大学から来られた先生方とも交流しました。ウクライナの3大学からいらした先生からは、「自由学園スカラシップ」を受け取った学生が何人もいたことに非常に感謝され、遠く日本からの支援に対してお礼を述べられていました。

ポメラニアン大学には現在、学部4年生の内藤悠太さんが同プログラムで留学しており、現地で再会しました。とても元気な様子で、学生寮ではルーマニアやギリシャからの留学生たちとも仲良くなり、ポーランド語入門の授業では苦労しながらも積極的に取り組んでいました。来年2月までの留学期間中に語学・国際社会学などを履修する予定です。



その後はクラクフを訪れ、アウシュヴィッツ強制収容所博物館、また婦人之友掲載の記事をきっかけに、友の会会員の方がボランティア活動をされている難民ホステルを訪問しました。交流したウクライナから避難してきた子どもたちが、引きこもりになったり思い切り体を動かすことができずにいる様子に、このようなところで学部生が一緒に活動できたら良いなと考えたりしました。



ポーランドを訪れた時期は、隣国ウクライナに加えて、イスラエルでの戦争が始まった時と重なり、またポーランド議会総選挙で騒然としていました。このポーランドという国が置かれた状況、また壮絶な歴史を背負っている国の大学と交流が持てることは、学部生にとって貴重なものだと思います。今後、最高学部とポメラニアン大学の交流をますます盛んにして、学部生が現地を訪れる機会を作っていきたいと思います。
「自由学園スカラシップ」関連記事:
2023年3月22日 「ポーランド・ポメラニアン大学在学 ウクライナ人留学生への「自由学園奨学金」に大きな支援協力」
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2023年1月10日 「59人のウクライナ人学生に『自由学園奨学金』 ポーランド・ポメラニアン大学からのたより」
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2022年10月6日 「ポメラニアン大学学長から感謝状届く ウクライナからの学生支援の寄付に対して」
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2022年7月8日 「ポメラニアン大学学長とのオンラインミーティング」
https://www.jiyu.ac.jp/blog/info/81125
2022年6月16日 「ウクライナ学生支援募金」経過報告(第1回送金完了)
https://www.jiyu.ac.jp/blog/info/80626
2022年4月1日 「ウクライナ学生 支援募金のお願い」
https://www.jiyu.ac.jp/blog/info/79853
文・写真:咲花 昭嗣(最高学部教員)