4月3日 LAみんなの日-修業式に先立つ教養講座/「みんなの日」の様子 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

4月3日 LAみんなの日-修業式に先立つ教養講座/「みんなの日」の様子 - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】

「みんなの日」の様子

4月3日 LAみんなの日-修業式に先立つ教養講座

2021年4月13日

4月3日、LAみんなの日の「修業式」に先立つ教養講座は、LAリーダーの中村祐二さんによる「私の体験的自由学園教育論」だった。

同リーダーは昭和44年、千葉大学工学部を卒業後、東芝に入社、家電製品のデザインに関わった後、同社内に設立された「生活文化研究所」に参加、生活とデザインについて掘り下げた研究に取り組んだ。そこで初代所長を務めた小田泰夫さん(自由学園最高学部前講師)の招きで、東芝退職後、学部講師となり、学生たちと交わりながら自由学園の教育を深く観察し体験する機会を得た。

人間の生活の中心には食事があるが、フランク・フロイド・ライトとその弟子の設計による自由学園の建物は必ずと言っていいほど食堂が中心に置かれており、生徒学生は昼になると、そこに全員が集まり食事をする。のみならず、その食事は女子部の場合、生徒自身が作る。食材の中には、自分たちが育てたものもある。

学園は栃木県の那須に広大な農場を持ち、牛100頭を飼う。大学に相当する最高学部の学生は、そこで農薬を使わぬ有機米も栽培している。

木造の建物を大切にするのも学園の特色のひとつ。数年前にできた正門前の「みらい館」は、生徒学生が育てた植林地の木材を使って建てられた。男子部では、中学一年生として入学すると最初に取り組むのが自分たちの使う机を作ること。女子部では古くなった食堂の机をきれいに磨き上げたり、自分たちの机や椅子をデザイン、設計して作り直したりした。

自由学園の最大の特色は、最高学部が大学部に相当しながら、大学の資格を取得していないこと。発足時は女子部・男子部も文部省(文科省の前身)の省令に基づかない学校だったほどで、官製とは異なる教育をしたい、という創立者の反骨精神をいまもなお保持していることを、多くの識者たちが高く評価してきた。 これら、普通の学校との違いをまざまざと知り、中村さんは新鮮な衝撃を受けたという。いまや普通の自由学園卒業生よりも自由学園的になった中村さんの講座。多種多様な画像を用い、学生の姿を生き生きと伝え、LA学生たちに感銘を与えた。(市岡)

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