フィールドサイエンスゼミの4年生が土木学会全国大会で口頭発表をしました/研究・実習 - 自由学園 最高学部(大学部)/ 最先端の大学教育

フィールドサイエンスゼミの4年生が土木学会全国大会で口頭発表をしました/研究・実習 - 最先端の大学教育【自由学園 最高学部(大学部)】

研究・実習

フィールドサイエンスゼミの4年生が土木学会全国大会で口頭発表をしました

2022年9月16日

2022年9月15日,16日に京都大学を会場に開催された土木学会全国大会第77回年次学術講演会で,フィールドサイエンスゼミ所属の鈴木祐太郎さん(4年生)が卒業研究の一環として取り組んでいる研究の一部について,研究グループを代表し10分間の口頭発表をしました.発表題目は「落合川と南沢湧水群周辺の表流水を対象とした基礎的水文調査」です.

 

発表で用いたスライド(鈴木)

 

鈴木さんは卒業研究の一環で,自由学園校内を流れる立野川をはじめ,落合川,黒目川の月次での水質・流量調査に参加し,2年間に渡りデータを取得して来ました.2021年度には最高学部のギャップイヤー制度を利用して,大同大学工学部に科目等履修生として在籍し,流出解析手法の一つの「タンクモデル法」と呼ばれる降水量を河川等への流出量に変化する手法を実践的に学びました.タンクモデル法は、気象庁が発表している「土壌雨量指数」の計算にも用いられているものです.今回,自由学園校内で観測している降水量データと,2年間の河川流量の実測データを用い,黒目川,落合川の目に見えない地下水流域面積の推定に迫る検討を行った結果について示しました.

発表を終えた鈴木さんは「はじめての対面での口頭発表で緊張しました.卒業研究として取り組んでいる範囲の中では一番専門的な内容でした.長期の実測データを蓄積していることを評価いただいた他,モデルを最適化する方法についてアドバイスをいただくことができました.今回の発表の機会を活かして,卒業研究をまとめていきます」と話していました.

また京都訪問の機会を活かし,鴨川や市内の清水などの水質調査も実施し,比較のためのデータを獲得しました.

 

発表を終えた鈴木さん

 

「鴨川デルタ(高野川)」で水質調査

 

なお,同学会では学部教員の吉川も「三重県紀北町・銚子川周辺の水質実態と水循環機構に関する基礎的調査・検討」と題して発表しました.こちらは自由学園海山植林地の位置する三重県紀北町・尾鷲市周辺の河川水の溶存イオンが極めて少ないことに注目し,その実態を捉えるための広域多地点調査の結果を示しました。またその考察として日本屈指の多雨地帯(年間降水量:4,000mm)であること,土地利用や地質との関係について示しました.

いずれも更に研究を深めつつ,得られた知見は自由学園キャンパス立地地域への理解を促進するオリジナル副教材の製作などに資するとともに,地域にも還元していく計画です.

 

発表で用いたスライド(吉川)

 

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文・写真:吉川 慎平(最高学部教員・環境文化創造センター長)

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