前回は、地震の発生確率の捉え方についてお話ししたが、今回は、地震災害だけでなく豪雨災害にも影響があると考えられる、東久留米市・清瀬市・小平市の地形や地盤について取り上げた。
国土地理院の土地条件図を参考にすると、この三市は概ね、十数万年より以前から約1万年前までの間に形成された更新世段丘(武蔵野段丘)の上に位置しており、そこは関東ローム層が5~15ⅿほどの厚みを持って堆積している場所でもある。関東ローム層は、自然のままであれば強くしっかりした地盤で、建築物の支持基盤としては適していると言われている。
ただ、地形を細かく見てゆくと川が流れていたり、段丘と段丘の間に凹地があったり、地形に人工的な手が入った「盛土地・埋立地」や「切土地」が見られたりもすることから、災害リスクを全体的なイメージから想定することには無理があるようにも思える。
例えば、段丘間の凹地には軟弱な堆積層があり、そこは「谷底低地」という地盤に分類されて、地震が起きた場合に、揺れが増幅されやすい場所となっている。また、そういった土地は川沿いと同様に、洪水ハザードマップでは浸水予想区域になっていたりするケースもあることから、ご自宅がどういった地形・地盤の上に位置しているのかを知ることはとても大切な作業だと思われる。
こうした情報は、どなたでも手軽にインターネットで検索して調べることができるようになっている。お時間がある時にでも、是非ご自宅の状況を確認していただき、備えへと活かしていただけると幸いである。
