TOKYO854くるめラ「ギュッと防災講座」1月6日(木)/安全への取り組み お知らせ・活動報告 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

TOKYO854くるめラ「ギュッと防災講座」1月6日(木)/安全への取り組み お知らせ・活動報告 - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】

安全への取り組み お知らせ・活動報告

TOKYO854くるめラ「ギュッと防災講座」1月6日(木)

2022年1月8日

今年最初の放送となったこの日は、「地震の揺れと建物被害」ということをテーマに取り上げた。前回、建物の耐震基準に焦点を当て、昭和56年(1981年)5月以前に用いられていた「旧耐震基準」によって建てられた木造住宅は、阪神淡路大震災を引き起こした兵庫県南部地震や熊本地震といった大規模地震に見舞われた場合に、倒壊する確率がより高くなるといったことをお伝えした。それを受けて今回は、なぜ倒壊する確率が高くなるのかについて考えてみた。

一般的に、建物はその種類によって、地震の際の揺れ方が異なるとされおり、その建物が最も影響を受ける揺れの周期のことを「固有周期」と言う(地震の揺れでその建物が一往復するのに要する時間でもある)。例えば、新築木造住宅であれば、その「固有周期」は0.3~0.5秒とされているが、そこへその住宅が建っている地盤が同じ周期で揺れた場合には、「共振現象」という状況が発生し、被害が大きくなると言われている。(地盤の揺れの周期は「卓越周期」と呼ばれる。)

一方で、0.3~0.5秒の「固有周期」というのは、新築木造住宅が建物自体の弾性によって、揺れによる変形から元に戻ることができる周期でもあることから、仮に「共振現象」が発生しても、倒壊に至るほどの被害には直接的には結びつかないともされている。ただ、地震の揺れによって建物の構造に損傷が生じてしまった場合には、それに伴い「固有周期」が伸びてゆくことになり、それが変形を元には戻すことができない1~2秒の周期になると、倒壊のリスクが高まってくると言われている。(「卓越周期」との関係も重要で、柔らかい地盤を通り抜けた揺れは、1~2秒の周期を持ちやすいとされており、この「共振現象」によって倒壊に至るケースも多い。)

ではなぜ、「旧耐震基準」で建てられた木造住宅は、大規模地震の際に倒壊のリスクが高くなるのかということであるが、それは「旧耐震基準」で求められていた建物の強度が、“中規模地震に対して倒壊しない”というレベルだったことによると言われている。つまり、大規模地震による揺れの強さに対する強度が充分ではなかったことから、倒壊へつながる損傷を受けやすかったのではないかとも考えられるわけである。(「新耐震基準」では“中規模地震に対して損傷せず、大規模地震に対して倒壊・崩壊しない”ことが求めらており、その差は大きい。ただし、建物の倒壊の仕組みを一概に定型化することもできない。)

ご自宅の築年数はもちろんのこと、ご自宅の建っている地盤などには、日頃あまり関心が向かないかもしれない。しかしながら、地震の揺れによってご自宅に倒壊のリスクがあるのかどうかを確認しておくことは、ご自分やご家族の命を守る上ではとても重要な作業だと言っても良いだろう。防災の最初の一歩として、こうしたことに目を向けてみてはいかがだろうか。

危機管理本部 蓑田圭二

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