東久留米市文化協会「防災まちづくり学校」で講演/安全への取り組み お知らせ・活動報告 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

東久留米市文化協会「防災まちづくり学校」で講演/安全への取り組み お知らせ・活動報告 - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】

安全への取り組み お知らせ・活動報告

東久留米市文化協会「防災まちづくり学校」で講演

2022年3月10日

3月5日(土)、コロナ禍の影響で延期されていた東久留米市文化協会による「防災まちづく学校」にて、「災害時の自宅トイレ対策」というテーマで講演を行ってきた。

昨今、地震災害だけではなく気象災害も多発するようになり、それへの備えとして、食糧や飲用水の重要性がより身近に感じられるようになってきたのではないだろうか。ただ一方で、「食べて飲んだら出す」という一連の流れの中で、トイレへの対策にはなかなか光が当たってこないということも感じてきた。

平時であっても災害時であっても、最も我慢できないことは「トイレ」だと一般的には言われており、例えば熊本地震の事例を挙げれば、発災後、3時間以内にトイレへ行きたくなったと回答した方が、約40%にもなったという調査結果が見られる。まさにトイレは待った無しなのである。

ここで、ではすぐにトイレへ行けば良いのではないかというご意見もあるだろうが、実はどんな災害でも、被害が大きければ大きいほど、トイレを通常利用してはいけないというのが、災害時のトイレ使用に関わる原則であるということはあまり知られていない。その理由を簡単に説明すると、自宅敷地内の排水管の安全性や公共の排水管の安全性、また地域の汚水処理施設の稼働状況、こうしたことが全て確認された上でないと、トイレの排水が詰まりなどの原因となり、最終的には、地域の復旧・復興活動の手枷足枷となる可能性が極めて高いと言われるからである。

他にも、指定避難所でのトイレ使用がコントロールできなかったり、あるいは断水や詰まりなどの影響により、流せなくなっているトイレであっても使用を続けた結果、衛生環境の悪化や汚れたトイレでの排便を避けるという行動に繋がり、そのことが健康状態にまで悪影響を及ぼした事例が数多く報告されてきた。そうなると、暫く携帯トイレを使用するかたちにならざるを得ないが、auが2020年に行った調査では、「事前に備蓄しておけば良かったもの」として、携帯トイレが4番目になったという結果もあり、まだまだ食糧や飲用水ほどには、備蓄体制の中に組み込まれてきていない現状も見えてくる。この講演をきっかけとして、備蓄品の中に携帯トイレを是非加えてもらえると幸いである。

危機管理本部(防災トイレアドバイザー) 蓑田圭二

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