6月13日に玉川大学を開催校としてオンラインで開かれた第30回日本国際理解教育学会で、最高学部教員・国際化センター次長の早野曜子先生が、「オレロップ体育アカデミーと自由学園の交流史―デンマーク留学と国際理解―」というテーマで口頭発表をしました。以下、早野先生の報告です。
同学会は国際理解教育の実践・研究を目的とした学会です。今大会では「SDGs目標達成に向けた異文化間教育と国際理解教育の役割ーユネスコとの連携を再構築するー」の公開シンポジウムも開催されました。どの学校もCovid-19のパンデミックにより人の移動を伴う国際交流は難しい中、インターネットなどを使い試行錯誤している様子が分かりました。
研究では、(1)90年に亘り同一校と交流を続けている長期記録は他になく、1931年以来オレロップ体育アカデミーと自由学園の交流が継続している背景には、両校の教育理念・キリスト教を基盤とする文化背景や「体操」という身体活動がメインであることなどが要因にあること、(2)これまでの留学生へのアンケートから、戦前の留学がいかに稀少であったか、国を背負った「異国」への留学から近年の「自己発見・自己探究」へと留学目的が変容したこと、(3)そして90年間継続している最も大きな要因として「人と人の繋がりの歴史」があることが明らかとなりました。
今回の研究にあたり、1934年自由学園からオレロップへ留学した立さん(増田祥子先生)の家族史と船尾さん(松野信子先生)のご家族(女子部48回生)から当時の貴重な資料をお借りし、新たな発見があったことを心から感謝申し上げます。
写真
1.オレロップ体操学校創始者のニルス・ブック氏と立さん(右)と船尾さん(左)

2.オレロップの友達と写る立さんと船尾さん
