『言葉音楽会』/自由学園協力会からのご案内・活動 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

『言葉音楽会』/自由学園協力会からのご案内・活動 - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】

自由学園協力会からのご案内・活動

『言葉音楽会』

2009年11月4日

 去る10月24日(土)、自由学園記念講堂にて『言葉(ことのは)音楽会』と題したイベントが開催されました。当日は午後2時に開演、冒頭に協力会の田島邦彦会長より挨拶があり、協力会は主として金銭的に自由学園を支援している組織であり、生徒の皆さんも卒業後はぜひ入会して欲しいと呼び掛けました。また本日は子供たちに本物に触れて欲しいとの思いから詩人の谷川俊太郎さん、ハーモニカの続木力さん、ピアノの谷川賢作さんと、自由学園にゆかりがあり、且つ各々の分野で日本を代表するアーティストをお招きした。『言葉音楽会』は協力会から生徒たちへのプレゼントであり、本物を堪能して欲しいとの趣旨が説明されました。
 そして子供たちの期待が高まるなか、いよいよ『言葉音楽会』がスタート。まずは谷川俊太郎さんが1950年代、10代の頃に書いたという『夜明け』を朗読され、続いて19才の時に出した処女詩集『20億光年の孤独』の一節を朗読、谷川賢作さんが詩の朗読にそっと寄り添うように伴奏し、気がつけば詩の朗読からピアノとハーモニカの演奏へと移っていました。曲は井上陽水による『少年時代』。自由自在に音を紡ぐ二人の即興演奏に、生徒たちも一般の方々もぐんぐん引き込まれていきます。
 


演奏が終わり再び谷川俊太郎さんの朗読。「かっぱかっぱらった かっぱらっぱかっぱらった たってちってた…。」あらかじめ行ったアンケートでリクエストが一番多かった「かっぱ」をリズミカルに読み上げた谷川さんに会場から笑いと拍手が湧き起こります。続けて『朝のリレー』や『あなたはそこに』を朗読。合間には俊太郎さんと賢作さんの軽妙洒脱なやりとりが続き、まるでトークショーのよう。
 その後もピアノとハーモニカによる力強いブルース調の曲『汽車と川』や、一転してしんみりとした調子の曲『地平線』と共に朗読された『あなた』は、音楽と詩が良くマッチングして、実にスリリング。そうかと思えば『男子部賛歌』にカップリングされた曲はなんと松田聖子のヒット曲『スイートメモリーズ』で、これが意外なほど相性が良く、誰もがびっくり。「男子部時代の思い出はスイートな思い出だけではなかったはず。」という賢作さんのコメントに苦笑した人も多かったはずです。
 続いては質問コーナー。生徒からの質問に対して谷川俊太郎さん、賢作さん、続木さんが答える形式でしたが、特に印象深かったQ&Aを挙げると、生徒:「いったい何が言いたいのか、伝えたいのか、詩というものがよくわかりません」。 谷川俊太郎:「意味がわからないのが詩の始まり。詩は解釈し過ぎると味わいが薄れる。作者が書いたものが大事ではなく、読者が感じたことが何より大事です。」 生徒:「谷川さんにとって一番大切なものは何ですか。」谷川俊太郎:「それはもちろん愛です。」その他にも、賢作さん、続木さんがそれぞれプロの音楽家を目指した動機など、興味深いエピソードを披露されました。
 コンサートの最後に谷川賢作さんから生徒に捧げると演奏された曲目は『山寺の和尚さん』。誰もが知っている童謡をモチーフにしながらも、まったく異なる着想によりアップテンポでドライブが掛かったダイナミックな演奏。賢作さんが鍵盤を肘打ちで奏でる迫力に、生徒たちは目を見張り聞き入っていました。そして盛大な拍手によるアンコールは、谷川俊太郎さんによる朗読『さよならは仮のことば』と、『山寺の和尚さん』とは対照的に爽やかで透明感のある曲『水車』で締めくくりました。
 最後に矢野恭弘学園長が素晴らしいコンサートをありがとうと3人に謝意を表し、また本物に触れる機会を生徒たちにプレゼントした協力会にも御礼を言われました。そして谷川俊太郎さん、賢作さん、続木さんに女子部、男子部、最高学部の各委員長より花束が贈呈されました。当日の来場者数は男子部、女子部、学部生徒509人、父母など一般の方々 295人、計804人でした。

協力会広報委員 入谷伸夫

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