書店販売されていない会員制の雑誌「MOKU」8月号に自由学園の食の学びと全国友の会の活動の様子が大きく取り上げられた。 「食よ、蘇れ!」という特集の中で、「『生活即教育』に基づく食の学び 自由学園85年の実践」と題し、食事作りの様子から始まって、学園創立の理念、歴史などを丁寧に報告。食の学び推進委員会リーダーである小田泰夫さん(最高学部生活研究室主任)へのインタビューにも3ページを割くなど、計13ページの大きな記事となっている。
記事の中では、「(羽仁)もと子は『よく教育するとは、よく生活させることである』という言葉を残している。これが『生活即教育』という85年間変わらず継承されてきた、自由学園の理念でもある。この言葉からも分かるように、自由学園は決して食だけを重視した教育を行うわけではない。食を含めた生活すべてが全て教育であるという考えなのだ。」と述べるなど、学園の教育の本質を見抜いた真面目な記事となっている。
特集では続いて「家庭力が未来を開く 主婦の知恵を社会に伝承する新しい軌跡」という見出しで、全国友の会を取り上げ、「現代の奇跡――。そう表現したくなる団体があった。」と元中央委員・井本幸子さんへのインタビューを中心に7ページにわたって取り上げている。
また「食文化は、あらゆる文化の母胎である」と提唱する料理研究家・辰巳芳子さんの考え方、活動の様子も大きく取り上げられている。学園と全国友の会の取材は辰巳さんの薦めで行われたもの。
「MOKU」は「暮らしの手帳」と同様、企業からの広告をまったく掲載しない硬派の雑誌で、発行部数約2万部。取材のため2回にわたって学園を訪問された編集長の前田洋秋さんによると読者の9割が男性だという。